アパートの大家になるには?流れと仕事内容、成功のポイントを解説

アパートの大家になる方法と成功のポイント

このコラムでは、アパートの大家になるための流れ仕事内容賃貸経営で注意すべきポイントを解説し、失敗を防ぐための具体的な方法を紹介します。

所有する土地の活用方法を検討中の方や、アパートを建てて大家業を始めたいとお考えの方は参考にしてください。

 


コラムのポイント

  • アパートの大家になり安定した家賃収入を得るためには、立地や建築プラン選定、資金計画、事業計画の立案など、事前に検討すべきことが多くあります。また、賃貸経営の成功には適切な管理が不可欠です。
  • アパートの大家業で土地活用を始めるなら、建築から賃貸管理、計画修繕、リノベーションなどを一括して任せられる不動産会社に相談するのがおすすめです。

 

 

最適な土地活用

 

アパートの大家業で土地活用を始めるメリット

アパートの大家業で土地活用を始めるメリット

土地活用でアパート経営(大家業)を始めるメリットを紹介します。

長期的な安定収入が期待できる

所有地にアパートを建てて経営することで、毎月一定の家賃収入が得られる点が最大のメリットです。

国税庁の調査によると、アパートなどの不動産経営者の平均収入(所得)は令和5年で547万円となっています。

(参考)国税庁ホームページ|申告所得税標本調査

不動産経営は安定すれば、長期的に収益を生み出す資産を形成できる可能性が高まります。

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アパート経営の年収はいくら?平均所得や月の手取り収入のシミュレーション方法を紹介

 

土地を有効活用できる

未活用の空き地にアパートを建てて賃貸経営することで、新たに利益を生み出せます。

土地は所有しているだけでは固定資産税や維持管理費など支出が発生し続ける一方となってしまいます。

さらに、空き地や空き家を放置すると近隣トラブルにつながったり、税負担が増えたりする可能性もあるため、早めに活用することでリスク対策ができます。

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節税効果が得られる

土地を所有している方は、そのまま空き地にしておくより、アパートなどの住宅を建てた方が節税効果を得られる点もメリットです。

建物のある土地は「住宅用地の軽減措置」により、毎年の固定資産税の負担を軽減できるほか、賃貸物件のある土地は「貸家建付地」とみなされ、空き地で相続するよりも相続税を抑えられます。

また、副業で大家をする場合、確定申告でアパート経営にかかった経費を家賃収入や給与から控除し、所得税を節税できるケースもあります。

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貸家建付地による相続税対策をわかりやすく解説|相続税評価額の計算方法もチェック

 

少ない自己資金で始められる

すでに所有している土地がある場合、アパートなどの建物の建築費だけで大家業を始められる点もメリットです。

土地購入費用が必要ない分、表面利回りが高くなるため、土地なしから始めるよりも安定した経営が見込めます。

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「土地あり」でアパート経営を始めるメリットと注意点|自己資金が少ない場合の対策も解説

 

生命保険や年金の代わりになる

アパートなどの賃貸物件はローンを利用して建てることが多いため、契約者は団体信用生命保険に加入することになります。

万一、契約者が亡くなったり高度障害状態などになったりした場合、遺族は以降のローン返済の負担なく賃貸経営を引き継ぎ、収入を得続けることが可能です。

また、ローン返済が終われば安定した継続収入が得られるため、老後の年金代わりとして生活資金に充てることもできます。

 

アパートの大家の仕事内容

アパートの大家の仕事内容

アパートなどの賃貸経営の業務は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  • ①賃貸管理
  • ②賃貸仲介
  • ③建物管理

1つずつ詳細を解説していきますね。

 

①賃貸管理

賃貸管理は入居者とのやり取りや家賃回収など、賃貸経営の基本的な業務分野です。

〈賃貸管理の主な業務〉

  • 契約・入居手続き
  • 家賃回収・督促
  • クレーム・トラブル対応
  • 更新の案内・手続き
  • 退去手続き・敷金精算・原状回復手配

 

②賃貸仲介

賃貸仲介は、アパートの入居者を募集して契約を成立させる業務のことです。

〈賃貸仲介の主な業務〉

  • 入居者募集
  • 内見同行や案内
  • 入居者審査
  • 契約業務

上記のように入居者の募集から契約までが仲介業務になり、宅地建物取引士の資格が必要なため、基本的に不動産仲介会社へ委託する形になります。

 

③建物管理

〈建物管理の主な業務〉

建物管理は、退去後のクリーニングや壁紙貼り替え、設備交換や外壁塗装といったメンテナンスなど、賃貸物件の価値と耐久性を維持するための業務です。

  • 共用廊下やホールなどの清掃
  • 原状回復
  • 外壁・屋根塗装
  • 設備・内装のリフォ-ム
  • 法定点検・消防点検

建物管理には日常の清掃業務からリフォ-ム、定期法定点検なども含まれます。

また、床面積や階数が一定規模を超える賃貸物件は、有資格者による法定点検・消防設備の点検が必要になる場合もあります。

 

アパートの管理方式の種類

アパートの管理方式は主に以下の3通りがあります。

  • 自主管理(大家が自身で管理)
  • 賃貸管理会社に委託(管理委託方式)
  • 賃貸管理会社に委託(サブリース方式)

これまで解説したように、アパート大家の業務は多岐にわたるため、賃貸管理会社に業務を委託することで手間や労力を大幅に軽減できます。

管理委託方式は、入居者とのやり取りや物件メンテナンスなどの管理業務を委託する方法です。経営スタイルに合わせて委託する業務内容を調整できます。

サブリース方式(一括借上げ方式)とは、賃貸管理会社が大家から物件を一括借上げした上で入居者に転貸する契約を指し、多くの場合空室や滞納時の家賃保証が付いています。

賃貸管理会社の選び方については、以下のコラムを参考にしてください。

〈関連コラム〉

サブリースと家賃保証会社は違う?メリット・デメリットや適した賃貸管理の見極め方を解説

 

アパートの大家になるための流れ

アパートの大家になるための流れ

この章では、所有している土地にアパートを建築して大家になる場合の流れを解説します。

①賃貸経営に関する基本知識を学ぶ

大家になるのに特別な資格やスキルは必要ありませんが、不動産投資や賃貸管理、不動産所得の会計処理、税金などに関する基本知識を学んでおくことをおすすめします。

〈大家に必要な知識〉

  • エリアの賃貸物件の需要や家賃相場
  • 運用にかかる経費
  • 入居者募集や賃貸借契約に関する知識
  • 賃貸管理の知識
  • 建物管理、計画修繕の知識
  • 会計処理や税務の知識 など

 

②自己資金を準備する

アパートを建築する際の初期費用を見積もり、必要な自己資金を用意します。

アパート建築で借入れをする場合、建築費用+諸経費のおよそ1~3割程度の自己資金を用意するのが理想です。

例えば、アパート建築費用と諸経費を合わせた初期費用が5,000万円の場合、自己資金は500~1,500万円程度が目安になります。

アパート経営を始める場合の初期費用や自己資金の目安、シミュレーション方法、ローンについては以下のコラムで詳しく解説していますので合わせてお読みください。

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③建築会社・管理会社を探す

アパートの建築や賃貸経営のサポートをしてくれる建築会社・管理会社を探し、条件を提示してプランを作成してもらいます。

アパートを新築して大家業を始める場合は、建築だけでなく、融資前の審査にも必要な事業計画書の作成や仲介、建築後の賃貸管理、建物メンテナンスなど総合的にサポートしてくれる会社がおすすめです。

オカムラホームは、千葉・東京エリアで、アパートの設計・施工・リフォームや、アパートローン利用のための事業計画書作成、仲介、賃貸・建物管理まで、自社内でワンストップサポートします。お気軽にご相談ください。

オカムラホームの賃貸経営のご相談はこちら

 

④アパートローン仮審査

アパートローンは、収入や勤務先など個人の属性に加えて、アパートの収益性や担保価値なども考慮して審査されます。仮審査は建築プランや事業計画書などの資料を基に行われます。

 

⑤建築会社と建築工事請負契約を結ぶ

仮審査に通り、詳細な建築プランが決定したら、建築会社とアパートの建築工事請負契約を結びます。

アパートの建築では融資実行前に着工金や中間金が必要になることも多いため、支払いタイミングも確認しておきましょう。

 

⑥アパートローン本審査~契約

アパートローンの本審査は1か月ほどかかるため、着工までに審査が通るよう逆算してスケジュールを立てましょう。

 

⑦建物引き渡し~融資実行

アパートが完成したら、引き渡し時に融資が実行され、建築費用の残代金が支払われます。

 

⑧入居者募集~アパート経営スタート

入居者募集や賃貸借契約は、管理会社や不動産会社に仲介を依頼します。大家は仲介会社の審査を経た入居希望者を確認し、可否を決定します。

審査をクリアした希望者との賃貸借契約・入居が完了したらアパート経営のスタートとなります。

 

アパートの大家になる際の注意点と失敗を防ぐポイント

アパートの大家になる際の注意点と失敗を防ぐポイント

大家業を始めるにあたって知っておきたい賃貸経営の注意点と、失敗を防ぐためのポイントを紹介します。

 

資金計画の注意点

安定経営を続けていくために必須なのが、収入と支出のシミュレーションです。

経営計画の立案における収支シミュレーションは表面利回りではなく、建築時や運用後の諸経費も含めた実質利回りで行い、キャッシュフロー(手残り)が得られるかを確認しましょう。

運用後に当初の経営計画から大きく外れることを防ぐためにも、必要な経費をできるだけ漏れなく計算してなるべくリアルな数字を求めつつ、マージンも設けておく必要があります。

〈関連コラム〉

不動産投資のキャッシュフローとは?目安や計算方法、利回り別のシミュレーション実例を紹介

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立地選びの注意点

所有する土地が賃貸需要の少ない立地の場合、アパートを建てても安定経営が難しい可能性があるため注意が必要です。

〈アパート経営に向いている土地の一例〉

  • 駅から近いエリアにある
  • 開発予定のあるエリアにある
  • 一定の広さ(60坪以上が目安)がある など

アパート経営は所有する土地の条件やエリアの需要などをしっかりと分析した上で検討する必要があります。立地によっては、より需要が見込まれる土地や、既存物件への買い替えも選択肢に入ります。

 

アパートの建築プランニング時の注意点

アパートを建築する場合、エリアの需要に合わせて住戸の間取りや設備を備え、断熱性や省エネ性能を高めるなど、高い入居率を維持しやすいプランニングが重要です。

安定した家賃収入を得られる資産価値が高いアパートを建築することで、次世代へ優良な財産を残すことにもつながります。

アパートの建築やリフォームは、国や自治体の補助金を上手に活用することでコストを抑えられるケースがあります。

補助金を上手に活用しながらアパートを経営するなら、設計力が高く、補助金申請の実績が豊富な施工会社をパートナーに選びましょう。

アパートの新築で使える補助金や税制優遇制度の情報は以下のコラムで詳しく解説していますので合わせてお読みください。

〈関連コラム〉

【2024-2025年】アパート新築・リフォームで使える補助金、税制優遇制度

 

信頼できる賃貸管理会社の選び方

大家業を委託する賃貸管理会社を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 自社集客できる会社か?
  • 空室を埋める集客力があるか?
  • 地域に精通しているか?
  • 管理業務をどこまで任せられるか?
  • 建物の維持管理も任せられるか?
  • トラブル発生時スピーディーに対応できるか?

賃貸管理の対応業務範囲は会社によって異なるため、選ぶ際に必ずチェックしましょう。

また、長く安定した経営を目指すなら、退去時の原状回復だけでなく、物件の資産価値維持・向上を図るリフォームなどの提案もしてくれる賃貸管理会社を選ぶのがおすすめです。

 

オカムラホームは、自社の集合住宅・戸建ての新築・リフォーム部門と連携し、マンションの維持管理はもちろん、入居率を高めるためのリフォーム・リノベーションのご提案もいたします。

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〈関連コラム〉

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分譲マンションを貸す際の賃貸管理会社の選び方|仲介会社との違いや手数料の相場も解説

 

まとめ

アパートの大家になり安定した家賃収入を得るためには、立地や建築プラン選定、資金計画、事業計画の立案など、事前に検討すべきことが多くあります。また、賃貸経営の成功には適切な管理が不可欠です。

これからアパートの大家業で土地活用を始めたい方は、建築から賃貸管理、計画修繕、リノベーションなどを一括して任せられる不動産会社に相談するのがおすすめです。

オカムラホームは、千葉・東京エリアでアパートやマンションの建築、経営コンサルティング、賃貸・建物管理までワンストップ体制でサポートいたします。土地活用や賃貸経営のことならなんでもお気軽にご相談ください。

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