土地の所有者の調べ方|持ち主不明の不動産の登記情報取得方法や無料で地番を調べる方法も解説
このコラムでは、土地や建物など不動産の所有者を調べる方法について解説します。
土地を相続したが誰の名義になっているのか分からない場合や、不動産投資のための土地調査で所有者が知りたい場合などにお役立てください。
コラムのポイント
- 相続した不動産や購入したい土地の所有者は、法務局の窓口やオンライン請求で閲覧する、登記情報提供サービスを利用するなどの方法で調べられます。
- 登記事項証明書や登記簿謄本の取得には手数料がかかりますが、所有者を調べるだけなら、「登記情報提供サービス」の不動産登記情報所有者事項の閲覧が最も安く済む方法と言えます。
- 土地の所有者を調べたのち、売却や購入などを検討しているなら、信頼できる地元に精通した不動産会社に相談するのがおすすめです。
Contents
土地の所有者は「地番」から調べられる
所有者を知りたい土地の住所はgoogleマップ等で無料でも調べられますが、住んでいる人の氏名は有料の住宅地図またはインターネットサービス等で閲覧する必要があります。
ただし、住んでいる人の氏名が分かったとしても、その人が土地・建物の所有者であるとは限りません。
また、住所の「番号(○○番○○号)」や「番地(○○番地)」は、登記簿に載っている「地番」とは異なることが多いため、住所だけでは土地所有者情報の閲覧請求などができません。
つまり、所有者を特定する(登記簿の閲覧等を請求する)ためには、土地の地番を調べる必要があるのです。次章では地番を調べる方法を紹介します。
土地の地番を調べる方法
土地の所有者や建物に住んでいる人に直接確認できない場合を想定して、地番を調べる方法を紹介します。地番は基本的に誰でも無料で調べられます。
法務局・資産課税課などで聞く
土地の所在地を管轄する法務局に電話で住所を伝えれば、地番を教えてもらえます。氏名や理由を伝える必要はなく、通話料以外の料金がかからないので最も手軽に確認できる方法です。
また、各自治体の資産税課等に行き、地番が分かる地図である「公図(地図に準ずる図面)」を直接閲覧する方法もあります。
例として千葉市では、東部、西部の各市税事務所資産税課で公図を閲覧、コピーできます。閲覧は無料、コピーは1枚300円となっています(2024年10月時点)。
(参考)千葉市ホームページ|土地の公図を閲覧またはコピーしたいのですが。
ブルーマップで探す
ブルーマップは、住宅地図の上に地番などの情報が掲載されている資料です。地図上で視覚的に地番を確認できるのがメリットです。
〈無料でブルーマップを閲覧できる場所〉
- 国立国会図書館(東京本館のみ)
- 法務局
- 公立図書館
- 市区町村役場
土地の最寄りの図書館や役場に、閲覧したい地域のブルーマップがあるか事前に確認しておくのがおすすめです。
インターネット上の地図データで確認する
2023年1月23日から、地番を確認できる法務局の地図データが無料で一般公開されています。
(参考)一般公開されている地図情報が取得できるサイト(G空間情報センターHP)
一般公開された地図データは法務省登記所にある「公図」と呼ばれるもので、土地の地番・土地の大まかな形状や大きさ・隣接地との位置関係などを示した図面です。
公図は「地図に準ずる図面」であり、明治時代に作成された図面を元に作成されているため土地の面積や距離については地図に比べて正確性が低いですが、地番を確認することは可能です。
※データを地図の形式で表示するためには、ソフトウェア等によるデータ変換作業が必要です。
地番を用いて土地の所有者を調べる方法
次に、地番が判明した土地の所有者を調べる方法を紹介します。いくつかの方法がありますが、基本的には有料のサービスを利用する形になります。
法務局で登記事項証明書交付を請求する
法務局で登記簿(登記事項証明書・登記簿謄本)または地籍図を閲覧し、所有者を調べる方法です。
登記簿(登記事項証明書・登記簿謄本)や地籍図は土地の所有者や利用状況を示す文書で、所有者の氏名や住所、利用状況(農地や住宅地など)などが記載されています。
地籍図とは登記簿に記載された土地の所有者、利用状況の情報を図面で表現したものです。
登記事項証明書・登記簿謄本や地籍図は、土地がある地域の法務局で個人でも閲覧請求が可能です。法務局の窓口で登記事項証明書・登記簿謄本を請求する場合は1通600円の手数料がかかります。
また、登記事項証明書・登記簿謄本や地図証明書、地積測量図等の図面証明書は法務局ホームページでオンラインでも交付請求が可能で、窓口請求よりも安く入手できます。
オンライン請求できる証明書の種類と手数料
登記事項証明書(全部事項証明書、現在事項証明書) |
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地図証明書 | 地図または地図に準ずる図面(いわゆる公図)の証明書
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図面証明書 | 土地所在図,地積測量図,地役権図面,建物図面及び各階平面図の証明書
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(参考)登記・供託オンライン申請システム|登記ねっと 供託ねっと
登記情報提供サービスを利用する
一般財団法人民事法務協会の「登記情報提供サービス」では、不動産登記情報をインターネット上で閲覧・保存できます。サービスの利用にはユーザー登録が必要で、情報の閲覧は項目ごとに利用料がかかります(利用登録せずに一時利用も可能です)。
また、地番を調べるだけなら無料で閲覧できます(ユーザー情報や支払方法の入力は必要)。
下記に利用料金を詳しくまとめます。土地の所有者を調べるだけなら、不動産登記情報の所有者事項の閲覧が141円で可能なため、法務局での請求よりも安く済みます。
登記情報提供サービスの利用登録費用(税込)
- 個人利用:300円
- 法人利用:740円
- 国、地方公共団体等:560円
登記情報提供サービスで閲覧できる主な登記情報
- 不動産登記情報(全部事項)
- 不動産登記情報(所有者事項)…所有者の氏名・住所・持分
- 地図情報…地図または地図に準ずる図面
- 図面情報…土地所在図/地積測量図、地役権図面及び建物図面/各階平面図 など
1件当たりサービス利用料金(税込)
不動産登記情報 |
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---|---|
地図 | 361円 |
図面
・土地所在図/地積測量図 |
361円 |
司法書士に依頼する
司法書士に登記事項証明書・登記簿謄本の取得を依頼して土地の所有者を調べる方法もあります。
ただし、司法書士に依頼する場合は報酬の支払いが必要で、自分で書類を申請するよりも多くの費用がかかります。土地の所有者を知りたいだけなら、司法書士に依頼する必要性は高くありません。
不動産会社に依頼する
購入したい土地の所有者を知りたい場合は、そのエリアに精通した不動産会社に相談するのもおすすめです。不動産売買のプロに、土地の所有者調査から売買交渉まで一貫して任せることができます。
空き地や空き家を購入したい場合、個人で交渉を進めて売買契約に至るにはさまざまなハードルがあります。そもそもの所有者は誰か、そして購入できる可能性があるのかなど、自分で直接交渉するよりも、不動産会社に仲介してもらった方がトラブルを防げます。
オカムラホームは、八千代市を中心とした千葉エリアで不動産に関するさまざまなご要望にお応えします。
購入したい空き地の所有者を知りたい場合や、相続した不動産の所有者が分からない場合の調査はもちろん、その後の物件購入、土地活用、売却などご要望に応じてトータルでサポートします。
土地活用や不動産の相続に関するお悩みやご要望など、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ
相続した不動産や購入したい土地の所有者は、法務局の窓口やオンライン請求で閲覧する、登記情報提供サービスを利用するなどの方法で調べられます。
登記事項証明書や登記簿謄本は、土地の関係者ではない第三者でも取得・閲覧が可能です。取得には手数料がかかりますが、所有者を調べるだけなら、「登記情報提供サービス」の不動産登記情報所有者事項の閲覧が141円と最も安く済む方法と言えます。
土地の所有者を調べたのち、売却や購入などを検討しているなら、信頼できる地元に精通した不動産会社に相談するのがおすすめです。オカムラホームでは、土地所有者の調査はもちろん、その後の物件購入、土地活用、売却などご要望に応じてトータルでサポートします。
土地活用や不動産の相続に関するお悩みやご要望など、お気軽にお問い合わせください。