空き家の税金が上がるのはいつから?2023年の法改正で何が変わる?

空き家の税金が上がるのはいつから?2023年の法改正で何が変わる?

この記事では、2023年の法改正で空き家の税金がどれくらい上がるのか?いつから影響が出るのか詳しく解説します。

税金が上がるとどんなことが起こるのか、どう対処すべきなのかなど、空き家をお持ちの方が知っておくべき情報もまとめました。

実際に税金が上がってしまうと、選択肢が減って費用負担が増える可能性があります。状況を正しく把握して、早めに適切な対策を取れるように準備しておきましょう。


コラムのポイント

  • 2023年の法改正によって空き家の税金が3~6倍に上がる可能性があります。
  • 空き家は放置せず、解体・賃貸運用・売却などの選択肢を把握して比較検討しましょう。

 

2023年空き家の税金が4倍になる?

税金が4倍になる可能性がある空き家

空き家率の上昇は日本全体で大きな社会問題になりつつあり、相続した家の固定資産税や維持管理費用が負担となり、頭を悩ませる方が増えています。

そんな中、2022年末に「空き家の税金が4倍になる」というニュースが発表されました。

参照元:Yahoo!ニュース 岸田首相、次なる増税案は「空き家税」軽減特例を外して税額4倍のウハウハ…実家の “家じまい” にも影響

報道によると、増え続ける空き家を抑止するための一つの策として、固定資産税の住宅用地特例を解除し、建て替えや売却を推進するという内容のようです。実際に法案が成立すると、空き家の税金優遇措置がなくなり、固定資産税が4倍になる可能性があるという報道です。

そして2023年3月に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。これにより、2015年に施行された「空き家対策特別措置法」の内容が変わり、誰も住んでいない空き家の固定資産税が実質的に増税される可能性が出てきました。

 

法改正で空き家の税金はどう変わる?

放置された空家

空き家対策特別措置法の改正案では、対象となる空き家の範囲が拡大し、税金が上がる方が増える可能性が高くなっています。今までは「特定空家」に指定された場合税金が高くなる仕組みでしたが、その前の段階の「管理不全空家」でも税金が上がる可能性があります。

特定空家とは倒壊などの恐れや周囲への悪影響がある空き家のことです。特定空家に認定されると固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなり、改善や解体命令を無視すると罰金を受ける可能性もあります。

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空き家対策特別措置法で特定空家に認定されるとどうなる?

2023年の法改正では「特定空家」になる可能性がある空き家を「管理不全空家」と規定し、住宅用地特例が受けられなくなります。つまり、倒壊など今すぐ危険を及ぼす可能性がない空き家も、固定資産税が上がる可能性があるということです。

 

空き家の税金は実際いくら上がる?

税金が上がる可能性がある空き家

今回の法改正が実行されると、空き家が建つ土地の固定資産税が現在の3~6倍になります。

具体的には「固定資産税の住宅用地特例」が受けられなくなります。

※固定資産税の住宅用地特例

小規模住宅用地(200㎡以下) 固定資産税が1/6
一般住宅用地(200㎡超) 固定資産税が1/3

住宅用地は敷地面積によって、固定資産税が1/3~1/6に軽減されています。管理不全空家指定されるとこの特例を受けられなくなるため、土地の固定資産税が3~6倍に上がってしまうということです。

仮に評価額1,000万円、200㎡以下の土地に建つ空き家の場合、税率1.4%で住宅用地特例が適用されると約2.3万円が固定資産税額です。しかし管理不全空家に指定されて住宅用地特例が解除されると固定資産税額は14万円、毎年10万円以上税金が上がってしまうのです。固定資産税は毎年のランニングコストですから、10年間の差額で考えると100万円以上の負担増になってしまいます。

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空き家の税金が上がるのはいつから?

国会議事堂で空き家法改正の審議

2023年3月3日時点で空き家の法改正は閣議決定されたため、この後国会にて衆議院・参議院で審議されます。両院で可決されると法律として成立し、60日以内に交付され一定期間ののちに施行されることになります。

どのように審議が進むかによりますが、現在の国会は2023年1月23日から150日の会期なので、今年度中に施行となる可能性もあるでしょう。

具体的な内容や施行日は変わるかもしれませんが、2023年から空き家の税金が上がる可能性も考えられるのです。

 

空き家の税金が上がる前に対策すべき理由

税金が6倍になる可能性のある空き家

実際に法改正で空き家の税金が上がると、全国で一斉に対策がはじまり、次のような状況が予想されます。

 

理由①補助金の早期締め切り

現在多くの自治体で空き家の解体・活用に関する補助金が活用できますが、税金が上がると申し込みが殺到して早期締め切りになる可能性が高いです。

住宅系の補助金は予算上限が決まっているため、一定数の申し込みで締め切られてしまうケースが多いです。補助金が活用できないと空き家の解体やリフォームを全額自費でまかなうことになり、負担が増加してしまいます。

どのような対策を打つにしても、早めに動くことで補助金を活用して費用負担を軽減できる可能性が高くなります。

 

理由②解体業者不足

空き家の解体

倒壊などの危険がある空き家は解体の勧告や命令が出ますが、税金が上がった後では解体業者不足ですぐ対応できなくなる可能性があります。

国土交通省によると、2022年末時点で全国の解体業者数は約4.3万業者でした。しかし前述した報道によると全国の空き家は約349万戸あります。税金が上がることですべての空き家が解体になるわけではありませんが、急激な需要増で業者の数が足りなくなる可能性はありそうです。

解体業者不足になると、予約待ちや価格の高騰、悪質な詐欺などの可能性も高くなります。もし空き家の解体を検討するなら、税金が上がる前に動き出した方が良いでしょう。

 

理由③売却が難しくなり値崩れする

税金が上がる前に手放してしまおうと考える方が多くなると、中古住宅市場が供給過多になり、売却難易度が上がって価格は下がる可能性があります。

2023年の法改正案では、空き家の売却や流通を活性化させる方策は盛り込まれていません。空き家をそのまま売却するなら、税金が上がる前に取り組んでおくべきでしょう。

 

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空き家の税金にはどう対策すべき?

前述したように税金が上がった後ではさまざまなリスクが発生するため、なるべく早めに対策を取りましょう。

 

売却

税金が上がる前に空き家を売却

今後も空き家をご自身で活用する予定が無いなら、税金が上がる前に売却してしまうのがおすすめです。

 

※空き家売却の方法

  1. 古家付き土地物件としてそのまま売却
  2. 解体して更地として売却
  3. 不動産会社に買取を依頼する

 

空き家の売却方法は大きく分けると上記の3パターンがあります。建物の状態がそれほど悪くなければ、フルリフォームやリノベーションを考えている方に売却できる可能性が高いです。

あまりにボロボロな状態の空き家は、検討者にマイナスイメージを与える可能性が高いため、解体して更地にした方が売りやすいかもしれません。

なるべく早めに空き家を売却したい場合は、不動産会社に直接買取を依頼する方法もあります。空き家の売却先探しや契約方法は、こちらのコラムも参考にどうぞ。

〈関連コラム〉

不動産売却はどこがいい?信頼できる会社の選び方や契約方法を解説

 

リフォ-ムして賃貸運用

空き家を賃貸運用

ファミリー層の賃貸需要が大きいエリアの空き家なら、リフォ-ムして賃貸運用するのもおすすめの対策です。賃貸物件として人が住んでいる状態なら、空き家ではないので税金が上がる心配はありません。

ファミリー向けの一戸建て賃貸なら家賃も高めに設定しやすいので、安定した家賃収入が期待できます。最近は入居者の方ご自身がDIYできる賃貸物件の需要も増えているので、空き家をリフォ-ム可物件として貸し出すのも一つのアイデアです。

 

更地にして貸し出す

建物の状態が悪い、または一般賃貸のニーズが少ないエリアの空き家なら、建物を解体して更地状態で貸し出す方法もあります。

多少利便性が悪い場所でも、資材置き場や作業場などの需要があれば、更地で家賃収入を得られる可能性があります。立地は良いが建物の状態が悪い空き家なら、更地にしてから駐車場として運用するのも良いかもしれません。

 

まとめ

2023年の空き家対策法改正案が成立して施行されると、空き家の税金が3~6倍に上がってしまう可能性があります。税金が上がってからだと対策が難しくなることが予想されるので、空き家は放置せずなるべく早めに解体・売却・活用を検討しましょう。

オカムラホームは住宅・不動産総合会社として、空き家の売却や活用をトータルサポートしています。空き家の売却・買取などはもちろん、リフォ-ムから賃貸管理までお客様の状況に合わせたご提案が可能です。千葉・東京エリアの空き家のことなら、何でもお気軽にご相談ください。

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