こどもエコすまい支援事業の対象リフォ-ムと補助金額をわかりやすく解説

こどもエコすまい支援事業の対象リフォ-ムと補助金額をわかりやすく解説

この記事では、こどもエコすまい支援事業が使えるリフォ-ムの種類と、どれくらいの補助金を受け取れるのかわかりやすくまとめています。

国や自治体のリフォ-ム補助金は、対象となる工事内容や条件、具体的な金額が分かりにくいことも多いですよね。

今回は、リフォ-ムしたい箇所で、いくら補助金を受け取れるのか分かるように情報をまとめて解説していきます。

見積もりから工事、申請までの具体的な手順と期限も説明しますので、ぜひリフォ-ム計画にお役立てください。


コラムのポイント

・こどもエコすまい支援事業は、断熱改修・エコ住宅設備・子育て対応など幅広いリフォ-ムが対象の補助金制度です。

・マンション/一戸建てどちらのリフォ-ムでも使える補助金なので、積極的に活用しましょう。


こどもエコすまい支援事業とは?

こどもエコすまい支援事業のホームページ

※画像引用元:こどもエコすまい支援事業

2023年からスタートするこどもエコすまい支援事業は、住宅省エネ化の推進を目的とした国土交通省の補助金制度です。新築住宅・リフォ-ム両方が対象で、基本的な条件を満たせば多くの方が活用できる可能性があります。

具体的なリフォ-ム内容と補助金額を見る前に、まずは対象となるための条件や申請期間など基本的な情報をチェックしておきましょう。

補助対象

こどもエコすまい支援事業を利用してリフォ-ムするためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

  1. リフォ-ムする住宅の所有者である
  2. こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約を結びリフォ-ムする

こどもエコすまい支援事業は、所有するご自宅はもちろん、賃貸運用しているアパートやマンションなども補助対象です。

また実際に補助金申請手続きをするのはリフォ-ムを実施する施工業者になるため、こどもエコすまい支援事業に登録している会社を選ぶ必要があります。具体的な施工業者の探し方は後半の手順でお伝えしますので、ここでは基本的な内容だけ覚えておきましょう。

補助金額の仕組みと上限

こどもエコすまい支援事業の補助金額はリフォ-ムの内容ごとに決まっていて、積み重ねで支給額が決定されます。具体的な補助金額は次の章で詳しく見ていきましょう。

補助金額の上限は1戸当たり5~30万円ですが、次の条件に該当する場合は引き上げられる可能性があります。

申請する世帯 既存住宅購入 補助金額
子育て世帯または若者夫婦世帯 あり 60万円
なし 45万円
その他の世帯 あり(条件あり) 45万円
なし 30万円

※子育て世帯:申請時点において2004年4月2日以降に出生した子を有する世帯

※若者夫婦世帯:申請時点において夫婦どちらかが1982年4月2日以降に生まれた世帯

子育て世帯・若者夫婦世帯のどちらかに該当する場合は、15万円補助金額上限が引き上げられます。中古住宅を購入してリフォ-ムする場合も15万円引き上げとなり、最大上限は60万円です。原則的に下限は5万円からとなります。

申請期間

こどもエコすまい支援事業の交付申請期間は2023年3月下旬から2023年12月31日までです。しかし予算上限が1,500億円と決まっていて、申し込みが上限に達した時点で締め切りとなります。

実際に、2022年の補助金制度「こどもみらい住宅支援事業」は、予算上限に達したため2022年11月28日に早期締め切りとなっています。

工事契約後に締め切りになると予定していた補助金を受け取れなくなってしまいますので、なるべく早めに計画を立てて動いていきましょう。

こどもエコすまい支援事業のリフォ-ム補助金額

こどもエコすまい支援事業で実際に対象となるリフォーム内容と補助金額を具体的に解説します。

  1. 開口部の断熱改修
  2. 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
  3. エコ住宅設備の設置
  4. 子育て対応改修
  5. 防災性向上改修
  6. バリアフリー改修
  7. 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  8. リフォーム瑕疵保険等への加入

上記の8種類がありますので、予定しているリフォーム内容の番号をチェックしてみてください。①~③のいずれかが必須工事となり、④~⑧は同時にリフォームすることが条件となります。

①開口部の断熱改修

こどもエコすまい支援事業の開口部断熱

窓ガラスや玄関ドアなどの開口部を、断熱性の高い製品に交換するリフォーム内容です。

断熱性能によって「省エネ基準レベル」「ZEHレベル」の2種類の分類があり、補助金額が変わります。項目が多いので一つずつ見ていきましょう。

窓ガラス交換

断熱性能 大サイズ 中サイズ 小サイズ
省エネ基準レベル 9,000円 6,000円 3,000円
ZEHレベル 12,000円 9,000円 3,000円

※大サイズ(1.4㎡以上)・中サイズ(0.8㎡以上1.4㎡未満)・小サイズ(0.8㎡未満)

ガラス交換は1枚当たりの補助金額となり、ペアガラスやトリプルガラスなど断熱性の高いものへの交換が対象です。

例えば高さ2メートル、幅1.8メートルの掃き出し窓をZEHレベルのガラスに交換すると、2枚分の24,000円が補助額となります。

内窓設置・外窓交換

断熱性能 大サイズ 中サイズ 小サイズ
省エネ基準レベル 23,000円 18,000円 15,000円
ZEHレベル 31,000円 24,000円 20,000円

※大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(0.2㎡以上1.6㎡未満)

既存窓はそのままに室内側に内窓を設置した場合、サッシ枠を丸ごと交換した場合は、一か所あたりの補助金額です。ガラス単体交換より断熱性能が高くなる分、製品代と補助金額も高くなっています。

ドア交換

断熱性能 大サイズ 中サイズ 小サイズ
省エネ基準レベル 34,000円 - 30,000円
ZEHレベル 45,000円 - 40,000円

※大サイズ(開戸:1.8㎡以上・引戸:3.0㎡未満)・小サイズ(開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満・引戸:1.8㎡以上3.0㎡未満)

玄関や勝手口のドアは大サイズ・小サイズの二種類で、一か所あたりの補助金額です。開戸・引戸で大きさの条件が違うので、間違えないようにしましょう。

▼公式HP:開口部の断熱改修

②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

こどもエコすまい支援事業の断熱改修

壁・床・天井などに断熱材を使用するリフォームです。こちらも窓リフォームと同じように、省エネ基準レベル・ZEHレベルで補助金が変わります。断熱改修は3つの箇所が対象になります。

外壁の断熱改修

断熱性能 全面断熱 部分断熱
省エネ基準レベル 112,000円 56,000円
ZEHレベル 151,000円 75,000円

外壁の断熱改修は、住まい全体の快適性や省エネ性能アップが期待できます。全面リフォームのほか部分断熱でも補助金対象となる可能性があります。断熱材最低使用量、熱伝導率などの条件がありますので、詳しくは施工店にお問い合わせください。

屋根・天井の断熱改修

断熱性能 全面断熱 部分断熱
省エネ基準レベル 40,000円 20,000円
ZEHレベル 54,000円 27,000円

建物の屋根や天井の断熱リフォームも、お部屋の暑さ・寒さを軽減する効果が期待できます。

床の断熱改修

断熱性能 全面断熱 部分断熱
省エネ基準レベル 69,000円 34,000円
ZEHレベル 92,000円 46,000円

床の断熱改修は、フローリングや畳の底冷え対策に効果的。カーペットなどを敷いて直接床に座る方には特におすすめです。

▼公式HP:外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

③エコ住宅設備の設置

こどもエコすまい支援事業の高効率給湯器

節水や節電などにつながるエコ住宅設備の設置は、補助金+節約効果の相乗効果が期待できるリフォームです。

エコ住宅設備の種類 補助額
太陽熱利用システム 27,000円/戸
高断熱浴槽 27,000円/戸
高効率給湯器 27,000円/戸
蓄電池 64,000円/戸
節水型トイレ 19,000円/台
節水型トイレ(掃除しやすいもの) 20,000円/台
節湯水栓 5,000円/台

高効率給湯器や蓄電池などの設備は一戸あたりの補助額ですが、トイレや節湯水栓は一台あたりの金額です。一階と二階のトイレを交換すると、二台分の補助金になるということですね。

▼公式HP:エコ住宅設備の設置

④子育て対応改修

こどもエコすまい支援事業の子育て対応改修

ビルトイン食器洗機や宅配ボックスなどの家事負担軽減、防犯性や防音性の向上などのリフォームが対象になります。

家事負担軽減に資する住宅設備

ビルトイン食器洗機 21,000円/戸
掃除しやすいレンジフード 11,000円/戸
ビルトイン自動調理対応コンロ 14,000円/戸
浴室乾燥機 21,000円/戸
宅配ボックス 11,000円/戸
対面キッチン化 89,000円/戸

料理・掃除などに役立つ設備のほか、最近需要が増えている宅配ボックスなども補助対象になります。お子様を見守りやすい対面キッチン化などもうれしいポイント。

防犯性の向上に資する開口部の改修

大サイズ 中サイズ 小サイズ
外窓交換 34,000円 24,000円 20,000円
ドア交換 49,000円 - 35,000円

※外窓交換の大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(0.2㎡以上1.6㎡未満)

※ドア交換の大サイズ(開戸:1.8㎡以上・引戸:3.0㎡未満)・小サイズ(開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満・引戸:1.8㎡以上3.0㎡未満)

窓サッシや玄関ドアなどを防犯性の高いものに交換すると、一か所あたりの補助額が加算されます。こちらはほかの開口部と重複できないので、有利なものを選びましょう。

生活騒音への配慮に資する開口部の改修

大サイズ 中サイズ 小サイズ
ガラス交換 9,000円 6,000円 3,000円
内窓設置・外窓交換 23,000円 18,000円 15,000円
ドア交換 34,000円 - 30,000円

※ガラス交換の大サイズ(1.4㎡以上)・中サイズ(0.8㎡以上1.4㎡未満)・小サイズ(0.8㎡未満)

※内窓設置・外窓交換の大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(0.2㎡以上1.6㎡未満)

※ドア交換の大サイズ(開戸:1.8㎡以上・引戸:3.0㎡未満)・小サイズ(開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満・引戸:1.8㎡以上3.0㎡未満)

窓ガラスやドアを防音性の高い製品に交換して、周囲への騒音を防止するリフォームも補助対象です。こちらもほかの開口部補助とは重複できません。

▼公式HP:子育て対応改修

⑤防災性向上改修

こどもエコすまい支援事業の防災性向上改修

台風などで飛来物が衝突してもケガをしにくい窓ガラス・サッシへの交換が対象です。

大サイズ 中サイズ 小サイズ
ガラス交換 15,000円 10,000円 6,000円
外窓交換 37,000円 25,000円 15,000円

※ガラス交換の大サイズ(1.4㎡以上)・中サイズ(0.8㎡以上1.4㎡未満)・小サイズ(0.8㎡未満)

※外窓交換の大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(0.2㎡以上1.6㎡未満)

ガラス交換は1枚あたり、外窓交換は1か所あたりの補助額です。この工事もほかの開口部補助とは重複計上できません。

▼公式HP:防災性向上改修

⑥バリアフリー改修

こどもエコすまい支援事業のバリアフリー改修

手すり設置や段差解消などのバリアフリー改修は、住まいの安全性を向上できるリフォームメニューです。

手すりの設置 5,000円/戸
段差解消 6,000円/戸
廊下幅等の拡張 28,000円/戸
衝撃緩和畳の設置 18,000円/戸

バリアフリー改修は工事個所ではなく、1戸あたりの補助額となります。

▼公式HP:バリアフリー改修

⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

こどもエコすまい支援事業のエアコン設置

こどもエコすまい支援事業事務局に登録されたエアコンの設置工事も補助対象となります。

3.6kW 以上 25,000円/台
2.2kW超〜3.6kW未満 22,000円/台
2.2kW 以下 19,000円/台

エアコン設置は1台あたりの補助額で、冷房能力によって金額が変わります。古いエアコンの交換や新設などに活用したいですね。

▼公式HP:空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

リフォーム部分に不具合が生じたときのための保険加入も補助対象となります。

リフォーム瑕疵保険等への加入 7000円/契約

断熱改修など大規模なリフォームを行う場合、リフォーム瑕疵保険を検討する方が多いです。

▼公式HP:リフォーム瑕疵保険等への加入

こどもエコすまい支援事業でリフォームする手順

こどもエコすまい支援事業の現地調査

実際にこどもエコすまい支援事業を利用する場合の手順も確認しておきましょう。

  1. こどもエコすまい支援事業の認定業者を探す
  2. 対象リフォームの見積もり~工事請負契約
  3. 交付申請の予約(任意)
  4. 工事着手
  5. 工事完了~支払い
  6. 交付申請
  7. 補助金の受け取り

こどもエコすまい支援事業を利用するためには、認定業者でリフォ-ム工事をする必要があります。公式サイトから事業者検索ができるので、近くのリフォーム会社を探しましょう。

前述したように予算上限に達すると早期締め切りになるため、着工前に交付申請の予約をするのがおすすめです。

着工後の手続きは基本的にリフォーム会社が行います。いったん工事代金を支払い、工事完了後に補助金を受け取る流れになります。

▼公式HP:申請手続きの詳細

こどもエコすまい支援事業のよくあるギモン

こどもエコすまい支援事業の施工業者

ほかの補助金と併用できる?

こどもエコすまい支援事業によるリフォームは、基本的に国が運営するほかの補助金と併用はできません。

※代表的なリフォ-ム補助金

例えば先進的窓リノベ事業とこどもエコすまい支援事業どちらも窓リフォームが含まれますが、両方の補助金を受け取ることはできないということです。

ただし別の工事内容で契約も分かれていれば、二つの補助金を使い分けられる可能性はあります。また市町村など自治体独自の補助金は、国費が使われていなければ併用可能です。

実際に補助金リフォームを検討する際は、制度に詳しいリフォーム店に相談しましょう。

補助金を利用するデメリットはある?

国の補助金制度は返済する必要がないため、基本的にはデメリットはありません。ただし「財産処分の制限」として、補助金を受けた設備は10年間承認なく取り壊すことが禁止されています。住宅としてそのまま売却する場合は問題ありませんので、大きなデメリットにはならないでしょう。

まとめ

幅広い工事が対象となるこどもエコすまい支援事業は、ご自宅や中古住宅のリフォームに活用しやすい補助金です。補助額上限も30~60万円と大きいので、積極的に活用してお得にリフォームしましょう。

ただし予算に応じて締め切りとなるため、なるべく早めに見積もり・申請と動くのがおすすめです。

補助金を活用したリフォーム工事は、私たちオカムラホームにご相談ください。千葉・東京エリアを中心に、総合住宅会社として住まいづくりをお手伝いしています。どんなリフォ-ムにも対応していますので、お気軽にご相談ください。

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