先進的窓リノベ事業の対象工事と補助額まとめ|申請期限と手順をチェック

先進的窓リノベ事業の対象工事と補助額まとめ|申請期限と手順をチェック

この記事では、マンション・一戸建てのリフォ-ムで活用できる、先進的窓リノベ事業をわかりやすくまとめます。

ペアガラスや二重窓の設置など対象工事別に、どれくらいの補助金を受けられるのか確認できる内容になっています。

また補助金を活用する場合のリフォ-ムの進め方を、会社探しの段階から詳しく解説。おトクに省エネリフォ-ムをするチャンスですから、ぜひ計画前に覚えておいてください。

 


コラムのポイント

・先進的窓リノベ事業は、さまざまな窓の断熱リフォームに使える補助金です。

・窓リフォ-ムの内容や大きさで補助金額が変わるので、ご自宅でいくらぐらいおトクになるのかチェックしましょう。


先進的窓リノベ事業とは?

先進的窓リノベ事業の内窓設置

経済産業省・環境省が主導する先進的窓リノベ事業は、既存住宅の断熱性向上を目的とする補助金制度です。

窓の断熱性を高めることで省エネ性能を向上し、冷暖房にかかる費用と燃料を減らしてCO2削減目標を達成するためにつくられました。

具体的には、既存の窓を断熱性能の高いペアガラスや気密サッシにリフォームする際、工事費用の一部を補助してもらえます。

補助金額は工事の内容によって変わりますが、1戸あたり5~200万円と大きな金額です。リフォームする建物の種類・地域・申請者の属性などの制限はないので、ほとんどのお住まいで活用できるでしょう。うまく活用すれば、費用を抑えてご自宅を省エネ住宅にリフォ-ムすることができます。

先進的窓リノベ事業の対象期間

先進的窓リノベ事業は、工事の契約・完了の対象期間が決められています。

  • 契約:令和4年(2022年)11月8日~令和5年(2023年)12月31日
  • 工事:令和5年(2023年)12月31日までに完成

契約・工事ともに令和5年の12月31日までが対象期間となっています。契約日と工事日の期限が同じですが、見積もりや工事スケジュールを考えるともう少し早めに動かないと厳しいでしょう。

また先進的窓リノベ事業は工事完了後に交付申請を行うため、手続きの期限も設けられています。

  • 交付申請:令和5年(2023年)3月下旬~遅くとも令和5年(2023年)12月31日(予算上限に応じて変更の可能性あり)
  • 交付申請の予約:2023年3月下旬~令和5年(2023年)12月31日

先進的窓リノベ事業の予算は1,000億円と決まっていて、申し込みが上限に達した時点で締め切りとなってしまいます。つまり、着工した後に予算上限に達してしまうと、補助金を受け取れなくなってしまうということです。

このような状況を回避するために交付申請の予約ができるようになっていて、事前に申し込んでおけば予算が確保されます。

2022年の補助金「こどもみらい住宅支援事業」では、開始直後に申し込みが殺到するなどの事態も見られました。補助金を活用する場合は、なるべく早めに見積もり⇒契約と動いて打ち切りリスクを回避しましょう。

参照元:リフォ-ム産業新聞 こどもみらい、打ち切りで現場混乱 急転直下「難民」救済へ

先進的窓リノベ事業の対象工事と補助額

先進的窓リノベ事業のペアガラス交換

先進的窓リノベ事業の工事対象は大きく分けると4種類です。それぞれの内容と補助額をチェックしましょう。

ガラス交換

既存の窓枠を活かし、ペアガラスなど断熱性の高いものに交換するリフォ-ムです。

グレード/熱貫流率 大サイズ 中サイズ 小サイズ
SS/Uw1.1以下 48,000円 30,000円 8,000円
S/Uw1.5以下 32,000円 21,000円 5,000円
A/Uw1.9以下 26,000円 17,000円 4,000

※大サイズ(1.4㎡以上)・中サイズ(0.8㎡以上1.4㎡未満)・小サイズ(0.8㎡未満)

※「先進的窓リノベ事業の内容について」を基に弊社作成

上記の補助額はガラス交換1枚当たりの金額で、断熱性能を表す熱貫流率とサイズによって変化します。

※熱還流率とは

ガラスの両側の温度差が1℃のとき、1㎡の面積を1時間で移動する熱量のこと。数値が小さいほど断熱性能が高い。

例えば大サイズの引き違い窓をSSグレードのガラスに交換する場合、48,000円×2枚で96,000円が補助額となります。ガラス交換は窓リフォームの中で金額・工期ともにハードルが低く、マンションなどの集合住宅でも取り組めることが多いです。

内窓設置

既存窓の内側に新たな窓を設置する方法で、LIXILのインプラス・YKKのプラマードUなどさまざまなメーカーの製品があります。窓を二回開け閉めする手間はありますが、ペアガラスより高い断熱性能が期待できるのが内窓のメリット。

グレード/熱貫流率 大サイズ 中サイズ 小サイズ
SS/Uw1.1以下 124,000円 84,000円 53,000円
S/Uw1.5以下 84,000円 57,000円 36,000円
A/Uw1.9以下 69,000円 47,000円 30,000

※大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(1.6㎡未満)

※「先進的窓リノベ事業の内容について」を基に弊社作成

内窓設置はガラスの枚数ではなく、1か所当たりの補助額となります。ガラス交換より内窓のほうが製品・工事費は高くなりますが、補助額も大きくなります。

内窓は既存のサッシはそのまま設置するため、一戸建てはもちろんマンションでもリフォ-ムできることが多いです。工場で製作した内窓を現地で取り付けるので、工期も短く1日前後で完了するケースがほとんどです。

外窓交換(カバー工法)

既存サッシを解体せずに上からカバーをかぶせるリフォ-ム方法で、サッシ枠自体が古くなっているときに採用されることが多いです。

カバー工法は戸建て住宅・3階建て以下の低層集合住宅と、4階建て以上の中高層集合住宅で金額が違います。

※戸建住宅・低層集合住宅(3階建以下)の場合

グレード/熱貫流率 大サイズ 中サイズ 小サイズ
SS/Uw1.1以下 221,000円 151,000円 93,000円
S/Uw1.5以下 150,000円 102,000円 63,000円
A/Uw1.9以下 123,000円 84,000円 52,000

※大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(1.6㎡未満)

※中高層集合住宅(4階建以上)の場合

グレード/熱貫流率 大サイズ 中サイズ 小サイズ
SS/Uw1.1以下 221,000円 151,000円 93,000円
S/Uw1.5以下 150,000円 102,000円 63,000円
A/Uw1.9以下 123,000円 84,000円 52,000
B/Uw2.3以下 89,000円 61,000円 38,000

※大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(1.6㎡未満)

※「先進的窓リノベ事業の内容について」を基に弊社作成

カバー工法の外窓交換は、ガラスの枚数ではなく1か所あたりの補助額です。古いサッシ枠の見た目が気になる場合、動きが悪い場合などに検討してみてください。

外窓交換(はつり工事)

既存サッシを一度解体し(はつり工事)窓枠ごと新しくする窓リフォームです。カバー工法が使えない場合や、内装・外壁も含めたフルリフォームのときに採用されることが多い方法です。

※戸建住宅・低層集合住宅(3階建以下)の場合

グレード/熱貫流率 大サイズ 中サイズ 小サイズ
SS/Uw1.1以下 221,000円 151,000円 93,000円
S/Uw1.5以下 150,000円 102,000円 63,000円
A/Uw1.9以下 123,000円 84,000円 52,000

※大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(1.6㎡未満)

※中高層集合住宅(4階建以上)の場合

グレード/熱貫流率 大サイズ 中サイズ 小サイズ
SS/Uw1.1以下 221,000円 151,000円 93,000円
S/Uw1.5以下 150,000円 102,000円 63,000円
A/Uw1.9以下 123,000円 84,000円 52,000

※大サイズ(2.8㎡以上)・中サイズ(1.6㎡以上2.8㎡未満)・小サイズ(1.6㎡未満)

※「先進的窓リノベ事業の内容について」を基に弊社作成

はつり工事による外窓交換も、中高層集合住宅のグレードBが無い以外は、カバー工法と同じ補助額です。

先進的窓リノベ事業でリフォ-ムするための手順

先進的窓リノベ事業のリフォ-ム工事

実際に先進的窓リノベ事業の補助金を受けるための、リフォ-ムの進め方もチェックしておきましょう。

①先進的窓リノベ事業に登録しているリフォ-ム会社を探す

補助金を受けるためには、先進的窓リノベ事業に登録しているリフォ-ム業者で工事をする必要があります。

公式ホームページから登録事業者を検索できます。

補助金利用を相談できる事業者の検索

②見積もりを依頼

近くの登録事業者が見つかったら、窓リフォームの見積もりを依頼します。依頼するときに補助金を活用したい旨を伝えるのが良いでしょう。前述したように窓のサイズと断熱性能で補助額が変わるので、見積もりと同時に確認してみてください。

③工事請負契約を結ぶ

先進的窓リノベ事業を適用するためには、必ず工事請負契約を結ぶ必要があります。口頭契約などで工事を進めず、必ず正式な契約を結びましょう。

④交付申請の予約

契約後の補助金打ち切りを防ぐために、交付申請の予約をしておきましょう。予約は任意ですが、着工~完了までの間に予算上限に達して打ち切られてしまう恐れがあります。予約すれば3か月間予算を確保しておけるので、なるべく手続きしておくのが良いでしょう。

⑤工事完了~交付申請

窓リフォームの工事が完了したら、実績報告書と請求書を提出して補助金の交付申請をします。基本的には工事担当するリフォ-ム会社が申請しますので、お客様の作業はありません。

⑥補助金の受領

工事内容や書類に不備が無ければ、補助金の受領となります。

先進的窓リノベ事業とほかの補助金は併用可?

先進的窓リノベ事業と他の補助金の併用

リフォ-ムに活用できる国の補助金事業はほかにもいくつかあり、先進的窓リノベ事業と併用できるのかも気になるところです。

  • こどもエコすまい支援事業:補助対象が重複しない場合は併用可
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業:工事契約が別で、工期も別である場合は併用可
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業:工事契約が別であれば併用可

上記は代表的な国のリフォ-ム補助金です。基本的に、一つの窓リフォームに対して他の補助金は併用できません。例えばこどもエコすまい支援事業もペアガラスや内窓設置が含まれていますが、1つのリフォ-ムで両方の補助金を受け取ることはできないということです。

補助金によって対象となる要件や金額が違いますので、有利な制度を選ぶようにしましょう。ただし一般の方が補助金の内容をすべて把握するのは大変なので、補助金制度に詳しい施工会社に相談するのがおすすめです。

まとめ

先進的窓リノベ事業は、一戸建て・マンションどちらにも活用できる補助金制度です。ご自宅はもちろん、賃貸物件のリフォ-ムにも適用できるため、不動産オーナー様にもおすすめです。

国のリフォ-ム補助金は予算上限が決まっていることが多いため、打ち切りにならないよう早めに見積もりや工事予約など動いていきましょう。

千葉・東京エリアで窓リフォームをご検討の際は、私たちオカムラホームにご相談ください。戸建て住宅・アパート・マンション・店舗など、幅広い物件のリフォームに対応しております。窓リフォームはもちろんどのような工事もご相談いただけますので、お気軽にお声掛けください。

オカムラホームの不動産コンサルティングバナー

▼オカムラホームのリフォ-ム詳細はこちら