農地活用ビジネスアイデア最前線!そのまま活用or農地転用


親世代から相続した農地を持て余して困っている方は少なくありません。農地法で用途が限定されている田んぼや畑は活用が難しいですよね。

そこで今回は、令和時代の農地活用ビジネスアイデアをたくさん紹介します。田んぼや畑をそのまま活用する方法、農地転用して活用する方法をそれぞれピックアップ。お持ちの農地に合わせた活用方法を探してみてください。


コラムのポイント

  • 市民農園や農地バンクなど、農地をそのまま活用する方法は複数あります。
  • 農地転用が可能な土地なら、賃貸・駐車場・コンビニ経営など活用方法も広がります。

相続した遊休農地を放置するデメリット

放置された遊休農地

最近は相続した農地がそのまま放置され、遊休農地や耕作放棄地になってしまうケースが増えています。農地法では農地の用途を厳しく制限しているため、相続しても使いみちが無いケースが多いです。また売却も難しく、先祖代々の土地を手放せず放置に至ることもあるようです。

耕作放棄地 以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付け(栽培)せず、この数年の間に再び作付け(栽培)する考えのない土地
遊休農地 現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地

その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる農地

荒廃農地 現に耕作に供されておらず、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観的に不可能となっている基準に該当する農地

引用元:千葉県 耕作放棄地とは

耕作放棄地の面積は年々増加しており、全国的に大きな課題となっています。耕作放棄地は土壌の質が悪化し、荒廃農地になると再び農業を営むことは難しくなります。田んぼや畑を放置すると雑草や害虫も発生しやすくなり、近くの農地や住宅に被害を与えるケースも。

荒れた土地は不法投棄や犯罪の対象にもなりやすく、知らないうちに多くのリスクを抱えてしまうのです。

このような理由から、農地の相続は大きな負担に感じるかもしれません。しかし、農地もアイデア次第でさまざまな活用方法があり、副収入を得られる可能性もあるのです。相続した農地は放置せず、次からご紹介する活用方法を検討してみてください。

農地をそのまま活用するビジネスアイデア

まずは地目変更せず農地のままで活用できるビジネスアイデアをご紹介します。

スマート農業を営む

ドローンを使ったスマート農業

農地活用と言うと他の用途への転用を考える方が多いですが、ご自身で農業を営むのも立派な活用方法の1つです。農業はハードルが高いイメージが強いかもしれません。しかし、IoT・AI・ロボットなどを活用するスマート農業で少しずつ状況は変わってきています。

例えば農業求人サイトで人手を集めたり、ドローンやトラクターを遠隔操作したり、負担を軽減する方法もあります。またアプリによる農作物の直売などの新しい取り組みも。

また名産品が採れる地域の農地なら、いちご狩りなど体験型農園として観光需要を呼び込む方法もあります。

初期投資と事業の手間はかかりますが、農地活用の選択肢として比較検討してみる価値はあるでしょう。

市民農園として貸し出す

市民農園として農地を活用
最近は非農家の方が小規模な農業を楽しむための市民農園のニーズが増えており、農地活用の有力な選択肢になっています。

市民農園の運営団体は、市町村・農協・企業などさまざまで、運営をすべて委託できるのが特徴です。賃料を得ながら遊休農地を活用でき、管理の手間をかけずに維持できるのは大きな魅力ですね。

市街地や大都市圏からのアクセスが良い農地なら、市民農園としての活用を検討してみましょう。

参照元:農林水産省 市民農園の開設方法

農地バンクで借り手を見つける

農地バンクで農地活用

大規模な農地を活用する方法としては、農地中間管理機構(農地バンク)で貸し出すのも一つのアイデアです。

農地バンクは自治体が出資してつくる法人組織で、遊休農地の貸し借りを推進しています。農地バンクが中間に入り貸付や賃料回収なども引き受けてくれるため、管理の手間とトラブルの心配がないのがメリット。

必ず借り手が見つかるわけではありませんが、手数料が賃料の0.5%とリーズナブルなため、検討しやすい活用方法と言えるでしょう。

営農型太陽光発電

営農型太陽光発電で農地活用

農業を継続しながら活用するなら、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)という方法もあります。

営農型太陽光発電とは、農地の上部に太陽光パネルを設置して、農業と発電事業を並行する方法です。農業の売り上げを太陽光発電で補填できるため、経済的な理由で遊休農地になっているなら有力な選択肢になるでしょう。

農地転用が可能な場合のビジネスアイデア

田・畑から宅地へ地目変更できる場合は、次のような活用方法も広がります。初期費用・期待できる収益が異なるので、資金計画に合わせて選びましょう。

ドッグラン

農地活用でドッグラン経営

広い面積の農地は、愛犬を自由に遊ばせられるドッグラン開業に向いています。小規模なドッグランのみなら比較的少ない初期投資で始められますし、売上に応じてカフェやトリミングサロンを併設するなど事業展開も見込めます。

駐車場経営

駐車場経営で農地活用
近くに住宅地や大きな工場などがある農地なら、駐車場経営にも向いています。郊外の農地はコインパーキングより月極駐車場の方が需要は高いので、初期投資も抑えやすいでしょう。

ただし周囲が農地や山林ばかりのエリアは需要が少ないので、あまり売り上げは期待できないかもしれません。

賃貸経営

農地活用してアパート経営

農地を宅地に地目変更できれば、アパートやマンションを建てて賃貸経営するのも王道の活用方法です。うまく集客できれば大きな家賃収入が得られるため、立地の良い農地に向いています。

ただし、「賃貸経営は儲からない」と言われることも多く、必ず経営が成功するとは限りません。賃貸経営に詳しい専門家に相談し、確実に利益を上げられる経営計画を立てる必要があるでしょう。

〈関連コラム〉

賃貸経営は儲からないと言われる理由と失敗を防ぐ取り組み方|利回りや税金など基本解説

トランクルーム経営

トランクルームによる農地活用
アパートやマンション建築より費用を抑えて農地を活用するなら、トランクルーム経営もおすすめのビジネスアイデアです。

トランクルームはコンテナを設置すれば開業できるため、初期費用はかなり抑えられます。賃貸業ではなく倉庫業になるので、開業ハードルも低めです。

ただし住宅地が多いなど需要が見込める農地でないと、確実に利益が出るとは限らない点に要注意。

高齢者施設経営

公共性の高い事業の1つである高齢者施設の経営は、農地と相性の良い活用方法です。

遊休農地が発生している地域は高齢者の人口が多いため、老人ホームや高齢者向け住宅の需要も高いケースが多いです。一般的な賃貸住宅と比べると、立地が重視されない傾向が強いのも農地活用に向いているポイント。

初期投資は多めにかかりますが、需要をつかめれば安定した収入が期待できます。

遊休農地の売却方法は?

ここまでご紹介した農地の活用方法が難しい場合は、なるべく早めに売却を検討しましょう。農地は売却が難しいですが、知り合いの農家や農業を始めたい方に譲るなら許可が下りる可能性があります。

そのような知り合いが居ないなら、専門性の高い不動産会社に相談するのがおすすめです。農地のまま売却したり地目変更してから売ったりするには、さまざまな手続きが必要になります。一般の方が農地を売却するのはかなりの手間がかかりますので、プロに任せた方が良いでしょう。

オカムラホームは千葉県八千代市を中心に、農地の活用や売却など不動産についてサポートしている会社です。相続農地でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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