マンションの配管交換ができないケースと代替案|費用目安と負担者、配管寿命の確認方法も解説

マンションリフォームの中で「配管交換ができない」という問題にぶつかることがありますが、ほとんどのケースでは、代替案によって配管交換を実現可能です。
また、マンションの配管には「専有部」「共用部」があるという点も、配管交換のリフォームプラン検討を複雑にする要因となっているため、高い設計力・施工力を持つリフォーム会社への相談をおすすめします。
今回は東京・千葉・神奈川で多くのご家族のリフォームをサポートしてきたリフォーム会社『オカムラホーム』が、マンションの配管交換をわかりやすく解説します。
配管は普段は見えない部分ですが、不具合の発生は日常生活に大きな支障をきたします。
リフォームの機会に配管までメンテナンスをして、これからも長く暮らしていける住戸となるよう、ぜひ最後までご確認ください。
Contents
マンションの配管交換ができない4つのケースと代替案

冒頭でお伝えしたとおり、リフォーム会社に「マンションの配管交換は不可能」と言われた場合でも、ほとんどのケースで代替案があります。
はじめに、「マンションの配管交換ができないと言われる4つの理由と代替案」を、あわせてご紹介します。
共用部分の配管は交換できない
共用部分の配管は他住戸と共有しているため、唯一、区分所有者の意思では交換できず代替え案もありません。
共用部分と専有部分一般的な区分は、以下のとおりです。
| 配管の種類 | 共用部分 | 専有部分 |
|---|---|---|
| 給水管 | 本管から住戸の水道メーターまで | 水道メーターから各水栓まで |
| 給湯管 | なし | 給湯器から各水栓まで全部 |
| 排水管 | 立て管、立て管との接続部 | 住戸内の床下を通る横引き管 |
| ガス管 | 本管からガスメーターまで | ガスメーターから先 |
ただし、共用部分の配管の一部が破損している場合は、破損状態に応じて理事会や総会の決議を経て交換されるのが一般的で、費用も修繕積立金から支出されます。
なお、上記の中で「排水管」に関しては、横引き管が床スラブ(住戸の床にあたるコンクリート板)の下を通って階下住戸の天井裏に配管されている場合があります。(1970年代から1980年代前半のマンションに多い構造)
この場合の配管は、他住戸に立ち入らないと配管交換ができないため、共用部分として扱われます。
共用部分の配管は管理組合が一斉交換を実施するため、のちほど「修繕積立金による配管交換について」で交換時期などをご紹介します。
コンクリート埋設(直床工法)の配管は新しい経路を作らないと交換できない
配管がコンクリートに埋設されていて、床スラブに直接フローリングを貼る「直床工法」で内装仕上げをしているマンションでは、以下の理由から既存配管自体の交換はできません。
- コンクリート部分は構造躯体の一部で削ることができないため、別経路を確保できない
- 床スラブとフローリングの間に空間がないため、別経路を確保できない
ただしこの場合には、以下の代替案で配管交換が可能です。
- 天井裏を通す:給水管・給湯管を天井側へ回し、壁を伝って各水栓へ下ろす
- 床を上げる:床下に空間をつくって、別経路と排水の勾配を確保
- 壁をふかす:壁際に樹脂管を通し、化粧カバーやふかし壁で隠す
どの代替案も「天井が下がる」「床に段差ができる」「壁が出っ張る」といった影響はありますが、「凸凹が生まれた部位に収納を増設する」などの工夫で、デザインを整えることも可能です。
大規模修繕による一斉交換の時期が近いなら待つほうがいい
以下の条件に該当するマンションは、自費で今配管交換をするのではなく、修繕計画に記載されている配管の一斉交換時期まで待つ選択ができます。
- 一斉交換の時期が長くて5年以内
- マンション管理規約に共用部分・専有部分両方の配管を一斉交換することが明記されている
配管交換費用の大部分を占めるのは「壁・床・天井の解体・復旧費用」ですので、一斉交換の時期を待つことで大きな費用負担をせずに済みます。
ただし、漏水や赤水が出ている場合には早期の配管交換が必要ですので、大規模修繕による一斉交換を待たずにリフォーム会社へ配管交換をご依頼ください。
依頼したリフォーム会社が配管の経路組み換えに対応できない
マンション配管の複雑な経路組み換えに対応できるリフォーム会社は限られるため、リフォーム会社から「配管交換や水回り位置の変更ができない」と言われるケースがあります。
この場合には別のリフォーム会社が対応できる可能性があるため、別のリフォーム会社にもご相談ください。
一般的には「設備交換店」「ホームセンターのリフォーム部門」などは対応が難しいケースが多く、ホームページでマンションのフルリフォーム・スケルトンリフォーム実績を多数公表しているリフォーム会社の多くは対応できます。
オカムラホームはマンション配管の複雑な経路組み換えに対応可能なリフォーム会社です。
東京・千葉・神奈川でマンションの配管交換をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
〈※施工エリア:東京・千葉・神奈川の一部地域となります〉
マンションの配管交換にかかる費用の目安と費用を抑える方法、費用の負担者

次に、マンションの配管交換費用、費用の負担者、費用を抑える方法もご紹介します。
マンションの配管交換にかかる費用の目安、費用を抑える方法
マンションの配管交換工事の内容・費用の目安は、以下のとおりです。
【マンションの配管交換費用の目安】
| 交換する配管の範囲 | 費用の目安 |
|---|---|
| 給水管・給湯管のみ交換 | ・単身タイプ:25〜40万円 ・ファミリータイプ:60〜80万円 |
| 給水管・給湯管・追焚管・排水管をまとめて交換 | ・単身タイプ:40〜65万円 ・ファミリータイプ:90〜125万円 |
【水回り設備別の配管交換費用の目安】
| 水回り設備 | 費用の目安 |
|---|---|
| キッチン | 8〜18万円 |
| 浴室 | 12〜25万円 |
| 洗面所 | 5〜12万円 |
| トイレ | 5〜15万円 |
※上記費用は配管交換にかかる費用(内装解体・復旧含む)の目安で、水回り設備の本体費用などは含まれていません。
こちらの記事で水回り4点セットのリフォーム費用をご確認いただけます。
〈関連ページ〉水回りリフォーム4点セットの費用はいくら?一軒家・マンションの相場や安く抑えるコツまで解説
また、実際の費用は水回りの配置・給湯器の設置場所・配管がスラブの上か下か・点検口の有無などで変動します。
上記費用の大まかな内訳は「配管交換、設備工事費:約35〜40%」、「内装解体・復旧工事費、附帯工事費:約60〜65%」ですので、費用を抑えたい場合には内装復旧プランをシンプルにして、施工面積も小さくすることをおすすめします。
【シンプルな内装復旧プラン例】
- 水回り位置を変更しない
- 部分開口で配管交換をする
- 配管を壁際に露出させる方法を選択
- 床下に配管の別経路をつくるよりも、天井裏へ配管を通す方が費用を抑えられる など
自己負担になる範囲と、修繕積立金で賄われる範囲
基本的に、専有部分の配管交換は自己負担で、共用部分の配管交換は管理組合が修繕積立金から支出します。
ただし「マンション標準管理規約※」には、共用部分・専有部分の同時交換によって費用が軽減される場合の、一体的な工事も記載されています。
※「マンション標準管理規約」とは、国土交通省が作成した分譲マンションの管理規約のひな形(ガイドライン)です。
共有部分・専有部分を一緒に一斉交換するかどうかは、マンション管理規約に記載があります。
また、その場合の専有部分にかかる交換費用の負担者についてもマンション管理規約に記載があるため、確認が必要です。
マンションの配管交換をした費用事例
こちらは、企業が従業員休憩用として使用していた住戸をリフォームした事例で、築年数が古いため配管交換も実施しています。
配管交換を含むリフォーム総額は、489万円でした。


3点ユニットバスを解体して浴室・トイレを独立させ、使い勝手が向上しています。


〈関連ページ〉横浜市神奈川区|3点ユニットを快適に!浴室を独立、洗面・トイレを一体型へ
オカムラホームには多数のマンションリフォーム事例がございますので、ぜひご覧ください。
こちらの記事で、マンションのフルリフォーム費用、費用を抑える方法をご確認いただけます。
〈関連ページ〉マンション70㎡のフルリフォーム費用は1000万円〜|費用を抑える方法、建築年別の必須工事など解説
マンション配管の寿命を確認する方法

次に、ご自身で「マンション配管が寿命を迎えているかどうか」を確認する方法もご紹介します。
まずは、配管の材質で寿命を判断します。
配管の材質はマンション竣工図面の「設備表」に記載されているため、ぜひご確認ください。
| 給水管の材質・仕様 | 寿命 |
|---|---|
| 水道用亜鉛メッキ鋼管+亜鉛メッキ継手 | 15〜20年 |
| 硬質塩ビライニング鋼管(防食継手なし・管端コア使用) | 20〜30年 |
| 硬質塩ビライニング鋼管(防食継手使用) | 30〜40年 |
また、上記のような時期に該当しなくても、通常よりも劣化が早く進んで寿命を迎える配管もあります。
- 朝一番や数日間の旅行から帰宅した際に、蛇口から赤茶色の水が出る
- 洗面台の下・キッチンのシンク下・給湯器まわりの配管の継手に白い粉や緑青・サビ・水滴の跡がある
- 浴槽やシンクに青い筋状の跡がある
- 同じ場所で排水の詰まりを繰り返している
ただし、配管の正確な現状は専門機器を使用した調査をしないと把握できません。
配管の材質から寿命を迎えていることが明らかな場合や上記のような症状がある場合には、リフォーム会社へ現地調査を依頼したうえで、ご予算に応じた配管交換プランを提案してもらうことをおすすめします。
東京・千葉・神奈川でご自宅マンションの配管、これから購入するマンションの配管の状態に不安をお持ちの方は、オカムラホームへお問い合わせください。
現状とご予算に応じて、これからも長く暮らしていくためのリフォームプランを提案いたします。
〈※施工エリア:東京・千葉・神奈川の一部地域となります〉
修繕積立金による配管交換について

次に、修繕積立金による配管交換の概要もご紹介します。
修繕積立金での配管交換が実施される時期
マンション共用部分の配管交換の時期は、築30〜40年が目安です。
「配管の診断結果」「交換見積額」「修繕積立金の残高」といった要因によって、マンション新築時の修繕計画とは時期がずれるケースもあります。
修繕積立金による配管交換の流れ
マンション配管の一斉交換は、検討開始から工事完了まで2〜3年を要します。
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 配管の劣化診断 | 内視鏡調査などで状態を把握し、更新か更生かを判断する | 着工の2〜3年前 |
| 計画立案・見積比較 | 工法・範囲・概算費用をまとめ、複数社の見積を比較する | 着工の1〜2年前 |
| 総会決議 | 工事の実施と費用の支出を総会に諮る | 着工の1年前 |
| 説明会・全戸アンケート | 各住戸の在宅日程を調整する | 着工の半年〜1年前 |
| 住戸内工事 | 立て管を共有する上下階を1工区として、数戸ずつ施工する | 着工から2〜3ヶ月 (50〜100戸のマンションを想定) |
工事期間中は在宅または鍵の預かりが必要で、断水の期間もあります。
断水期間でも、敷地内に仮設トイレやシャワー室などを設置し、工事時間(9〜17時が一般的)以外は配管の仮接続によって水道を使えるように復旧するのが一般的です。
マンションの配管交換Q&A

最後に、マンションの配管交換について疑問や不安をお持ちの方から、オカムラホームがよくいただく質問・回答をご紹介します。
Q.専有部分の配管の劣化や不具合を放置するとどうなる?
A. 専有部分の配管の劣化や不具合を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- 漏水してご自宅や他住戸に水漏れ
- 劣化や不具合が進行してリフォーム規模が大きくなる など
他住戸への水漏れについては、区分所有者が損害賠償責任を負います。
復旧費用は火災保険の個人賠償責任特約でカバーできる可能性がありますが、劣化が原因で不具合が発生した場合には、配管自体の修理費用は補償されません。
Q.リフォーム済中古マンションは配管交換もしている?
A. リフォーム済中古マンションのリフォーム内容に、配管交換が含まれているとは限りません。
見える部分だけを綺麗にしただけの可能性もあるため、購入前に「給水管・給湯管・排水管を交換したか、どの範囲を交換したか」を、仲介会社を通してご確認ください。
Q. 給湯器を交換するとき、既存の配管をそのまま使える?
A. 配管が樹脂管であればそのまま使える可能性があります、銅管やライニング鋼管であれば給湯器交換とあわせて交換をご検討ください。
給湯器本体の交換は「既存の配管に接続して完了」とするのが一般的ですが、給湯管が古い銅管の場合は、小さな穴(ピンホール)が開いて漏水する可能性があるためです。
給湯器の交換は配管が露出する数少ない機会ですので、リフォーム会社に「給湯管の交換の必要性」をご質問ください。
Q.単水栓を混合水栓に変えたい。お湯の配管を引くことは可能?
A. 専有部分で配管経路を確保できる場所であれば、水のみが出る単水栓をお湯も出る混合水栓に変えることが可能です。
以下のような水栓は単水栓が一般的ですので、お湯の配管を引く場合には、給湯器または最寄りの給湯主管から新しい給湯管(架橋ポリエチレン管等)を分岐・延長する工事を行います。
- 洗濯機の水栓
- トイレ内の手洗い水栓
- バルコニーの水栓
床下や壁の中に配管を通すスペースがない直床工法のマンションでは、「壁を手前に出す」「天井裏を経由させる」といった代替案でお湯の配管を引きます。
なお、壁から水・お湯のそれぞれの単水栓が並んで出ているマンションの場合は、「専用のマルチリモデル混合水栓」を使うことで、大掛かりな配管工事なしで1つの混合栓に交換可能な場合もあります。
Q.修繕積立金が不足しているマンションでは配管の一斉交換が実施されないケースもある?
A. 修繕積立金が不足しているマンションでは、配管の一斉交換が実施されないケースもあります。
国土交通省の令和5年度マンション総合調査には、修繕積立金について以下のようなデータがあるため、中古マンション購入時には「修繕積立金の残高」「長期修繕計画書の概算費用」をご確認ください。
- 計画に対して実際の修繕積立額が不足しているマンションは36.6%
- 上記のうち、「不足割合が20%超」のマンションは11.7%
〈参考〉国土交通省ウェブサイト『マンションに関する統計・データ等』令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状>9ページ
まとめ
マンションの配管交換ができないケースと代替案、費用の目安と負担者、配管寿命の確認方法などをご紹介してきました。
マンションの配管交換ができず代替案もないのは「共用部分の配管」だけで、ほかのケースでは代替案があります。
また、配管交換費用の大半は内装解体・復旧費用ですので、費用を抑えたい場合には、内装復旧プランの内容で費用の調整が可能です。
配管の寿命は配管の材質や水の状態で簡易的に判断が可能ですので、不安がある場合には不具合が発生する前に配管交換をご検討ください。
東京・千葉・神奈川でマンションの配管にご不安をお持ちの方は、オカムラホームへご相談ください。
丁寧な現地調査のうえで、ご予算・ご要望に応じて柔軟にリフォームプランを提案させていただきます。
〈※施工エリア:東京・千葉・神奈川の一部地域となります〉
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