マンションの間取り変更リフォームでできること・できないこと|注意点や費用相場まで施工事例付きで解説

マンションだからといって、間取り変更リフォームができないわけではありません。
しかし、戸建て住宅の間取り変更とは、できること・できないことが異なるため注意が必要です。
そこで今回は、マンションリフォーム/リノベーションで実績豊富な千葉の工務店「オカムラホーム」が、マンションの間取り変更リフォームでできること・できないことや費用相場、注意点について、実際の施工事例とともに解説します。
Contents
マンションの間取り変更リフォームでできること

マンションの間取り変更リフォームで対応できる工事は、以下の通りです。
- 壁を撤去してLDKを一体化・拡張
- 間仕切り新設で部屋数アップ
- 収納計画の見直し
- キッチンのレイアウト変更
- 生活動線の改善
- スケルトン化による間取りの全面再編
壁を撤去してLDKを一体化
間仕切り壁を撤去することで、リビング・ダイニング・キッチンを一体化し、開放的な空間に演出できます。
ワンフロアとなることによって、明るく広々とした印象を与えやすくなるだけでなく、生活動線・家事動線の効率化にも効果的です。
しかし、構造上必要な壁とされる耐力壁は撤去できないため、構造を事前に確認しましょう。
間仕切り新設で部屋数アップ
マンションの間取り変更リフォームでは、既存の空間に新しく間仕切り壁を造作し、部屋数を増やすこともできます。
可動式の間仕切りを設置することで、空間を独立させる・拡張させるといった柔軟な活用も可能です。
テレワーク用のちょっとしたスペースを作りたい場合や、お子さまの遊び場を設けたい場合などにおすすめのリフォームです。
収納計画の見直し
マンションの間取り変更リフォームでは、収納スペースの再編も人気です。
ウォークインクローゼットやパントリーを新設するほか、既存収納を拡張するなど、収納に関する悩み・課題に合わせて収納場所や容量を見直しましょう。
単に収納を増やすのではなく、動線についても十分に考慮することをおすすめします。
キッチンの交換やレイアウト変更
システムキッチンの交換だけでなく、壁付け型のキッチンから対面式キッチン、アイランドキッチンに変えるなど、キッチンのレイアウト変更も可能です。
しかし、キッチンの移動を伴うリフォームの場合、構造上・規約上の制約で難しいケースもあるため、必ず事前に確認をとりましょう。
生活動線の改善
家事動線や生活動線の最適化のために、間取り変更リフォームを行う場合もあります。
アイランドキッチンにして回遊性を高める、玄関からパントリーへと直行できる動線にするなど、日常の動きをより円滑にする間取りに変えることで、暮らしやすさを改善しましょう。
スケルトン化による間取りの全面再編
スケルトンリフォームは、躯体以外の内装・設備をすべて撤去し、ゼロから設計し直すリフォーム方法です。
大幅な間取り変更が可能となり、給排水管や電気配線などのまとめて一新できるのはメリットですが、費用が高くなりやすいため、予算配分には注意が必要です。
マンションの間取り変更リフォームでできないこと

マンションであっても間取り変更リフォームは可能ですが、次に該当する場合はリフォームができないため注意しましょう。
- 構造壁の撤去・開口拡大
- 水回りの大幅な移動
- 玄関ドアや窓サッシ、バルコニーなどの共用部の工事
- 管理規約で禁止されている工事
構造壁の撤去
マンションの構造壁は、建物全体の強度を維持するために不可欠とされているので撤去できません。
また、開口部を大幅に拡大することも禁止されています。
仮に専有部分にある壁であっても、間仕切り壁ではなく構造壁の場合は工事を行えないため注意しましょう。
水回りの大幅な移動
マンションでキッチン・浴室・トイレ・洗面室といった水回りを大きく移動する場合、配管や排水勾配などの影響で難しい可能性が高いです。
マンションではPS(パイプスペース:給排水管などを通すための空間)の位置が決められており、水回りを移動させるために遠くまで配管を延長できません。
床下のスペースや構造の影響で移動できない場合や、マンションの規約で制限されているケースも多く見られます。
多少の配置変更やレイアウト変更であれば可能なケースが多いですが、大幅な移動は難しいと押さえておきましょう。
玄関ドアや窓サッシ、バルコニーなどの共用部の工事
マンションの玄関ドア、窓サッシ、バルコニーなどは共用部分に該当するため、個人が勝手にリフォームしたり、工事を行うことはできません。
断熱性向上や防音対策といった性能面を上げるリフォームであっても、管理組合の承認が必要です。
管理規約で禁止されている工事
専有部分であっても、マンションごとの管理規約によって工事内容が制限されています。
使用できる床材や設備の設置範囲、壁の改修などについて規約が設けられているケースが多いので、法的トラブルを防ぐためにも、管理規約を十分に確認しましょう。
間取り変更ありのマンションリフォームの費用相場

間取り変更ありのマンションリフォームを行う場合、費用の目安は次の通りです。
| リフォーム内容 | 費用相場 |
| 2室を1室に変更 | 50〜80万円 |
| 和室から洋室へ変更 | 50〜200万円 |
| 和室から洋室へ変更し、バリアフリー化 | 70〜300万円 |
〈※出典:国土交通省 リフォームの内容と価格について〉
間取り変更1箇所につき数十万〜数百万円かかるため、複数箇所の間取り変更や設備交換などを行なった場合、総額で500〜1,000万円ほどかかることもめずらしくありません。
マンションの間取り変更リフォームの注意点

マンションの間取り変更リフォームで失敗しないためには、次の3点に注意しましょう。
管理規約を細かく確認する
マンションリフォームを行う前には管理規約の内容を細かく確認しましょう。
管理規約には、専有部分と共用部分の範囲、リフォーム時に必要な申請、工事可能時間帯などが詳細に記載されているため、工事前の確認が欠かせません。
規約をきちんと確認せずリフォームを実施し、違反が発覚した場合、工事の中止や原状回復が求められる恐れもあります。
施工業者とともに、内容の確認と把握を徹底しましょう。
構造による制約について把握しておく
マンションの構造形式や耐力壁の有無により、間取りの変更範囲は大きく異なります。
構造形式による違いは次の通りです。
| 項目 | ラーメン構造 | 壁式構造 |
| 支え方 | 柱+梁のフレームで荷重を負担 | 床・壁・天井(スラブ+耐力壁)で面として荷重を負担 |
| 階数の目安 | 中高層〜高層マンションで一般的 | 原則として低層(5階以下)中心 |
| 間取りの自由度 | 自由度が高く、間仕切り変更がしやすい | 自由度が低く、大きな開口や間取り変更は制約が大きい |
また、配管や電気配線の経路によって水回りの大幅な移設も制限されます。
希望する間取りが技術的・構造的に実現できるかどうかは、現地調査や図面確認を専門家と行って確認しましょう。
追加費用についても想定しておく
マンションの間取り変更リフォームでは、解体した際に配管の腐食が発見されたり、防水補修が必要になるなど、予期せぬ工事によって追加費用が発生する場合があります。
また、住み替えが必要な工事規模となった場合、仮住まい費用の計上も忘れてはなりません。
万が一の際を考慮し、予算ギリギリになるのはできる限り避けて、資金に余裕を持った工事計画を立てましょう。
マンションの間取り変更リフォーム例|ビフォーアフター画像5選

ここからは、実際にオカムラホームが手がけたマンションの間取り変更リフォームを紹介します。
ビフォーアフター画像とともに解説するので、ぜひ参考にしてください。
マンションの間取り変更リフォーム例①

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間取り図のビフォーアフターは以下の通りです。

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築44年のマンションにて、間取り変更リフォームを行なった事例です。
和室が2部屋続いていたところを、1室は洋室に変更し、和室には一段下がった畳床を設けました。
キッチンとダイニングをつなぐカウンターを設け、おしゃれなレストランのような雰囲気に仕上げています。
| 築年数 | 44年 |
| 工期 | 60日 |
| リフォーム費用 | 560万円 |
こちらのマンションリフォーム事例を詳しくご覧になりたい方は、こちらをご確認ください。
マンションの間取り変更リフォーム例②

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間取り図のビフォーアフターは以下の通りです。

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築23年のマンションにて、間取り変更ありのリフォームを行なった事例です。
和室部分もLDKへと変更し、ちょっとした作業にも便利なワークスペースを設けました。
納戸は書斎へと生まれ変わった部屋には、リビングへとつながる小窓も設置しています。
| 築年数 | 23年 |
| 工期 | 60日 |
| リフォーム費用 | 700万円台 |
このマンションリフォーム事例を詳しくご覧になりたい方は、こちらをご確認ください。
マンションの間取り変更リフォーム例③

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間取り図のビフォーアフターは以下の通りです。

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築28年のマンションで、間取り変更リフォームを行なった事例です。
子ども部屋だった洋室2部屋は、まるでおしゃれなショールームのようなガレージに生まれ変わりました。
和室をなくすことでLDKを広くするとともに、収納付きの小上がりスペースも設けることで、和モダンな雰囲気に仕上がっています。
| 築年数 | 28年 |
| 工期 | 75日 |
| リフォーム費用 | 約800万円 |
このマンションリフォーム事例を詳しくご覧になりたい方は、こちらをご確認ください。
マンションの間取り変更リフォーム例④

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間取り図のビフォーアフターは以下の通りです。

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築22年のマンションにて、間取り変更リフォームを行なった事例です。
和室からテレワークスペースへ生まれ変わった部屋は、ネイビーのアクセントクロスで洗練された雰囲気を演出しています。
ダイングと引き戸で仕切られていることで、必要に応じて開放的な空間に変更できるのも魅力です。
| 築年数 | 22年 |
| 工期 | 46日 |
| リフォーム費用 | 850万円 |
このマンションリフォーム事例を詳しくご覧になりたい方は、こちらをご確認ください。
〈施工事例:横浜市港北区|全面リフォーム|ご夫婦おふたり|こだわりのクロスと設備で快適で洗練された空間へ〉
マンションの間取り変更リフォーム例⑤

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間取り図のビフォーアフターは以下の通りです。

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築25年のマンションにて、間取り変更を含む全面リフォームを行なった事例です。
リビング横の和室は洋室へ変更し、LDKとひとつながりの空間にすることで、開放感を演出しています。
全体のアクセントカラーをブルーにすることで、統一感のあるおしゃれな部屋となりました。
| 築年数 | 25年 |
| 工期 | 72日 |
| リフォーム費用 | 990万円 |
このマンションリフォーム事例を詳しくご覧になりたい方は、こちらをご確認ください。
〈施工事例:川崎市麻生区│マンションリフォ-ム│ブルーを基調とした全面リフォーム〉
まとめ
マンションでも、間取り変更を伴うリフォームは難しくありません。
しかし、構造上の理由やマンションの規約によって、工事内容に制約があるため注意が必要です。
制約内でできる限り希望通りの間取りとするためにも、施工実績の豊富な業者に依頼しましょう。
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