区分マンション投資は本当に儲からない?メリット・デメリットとリスク対策を解説
2025.08.20
2025.08.31
不動産投資の選択肢の1つ「区分マンション投資」は、少額から始められ、管理の手間も少ないことから、初心者でも始めやすいメリットがあります。
一方で、インターネットやSNSなどでは「儲からない」という情報も見られ、どの投資スタイルを選ぶべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、区分マンション投資の仕組みや、他の不動産投資と比較したメリット・デメリット、リスク対策方法を分かりやすく解説します。
ご自身に合った投資スタイルを見つけるためのヒントとしてお役立てください。
コラムのポイント
- 区分マンション投資は、少額からでも手軽に始められる一方で、一棟投資と比べると実質利回りが低い、節税効果が限定的、経営の自由度が低いなどのデメリットもあり、適切な対策をした上で始めないと「儲からない」という後悔につながるケースもあります。
- 区分マンション投資の成功には、賃貸需要が安定した立地選定や、物件の修繕履歴・管理状態の確認が重要です。
- 複数戸を所有してリスク分散する対策や、長期保有と出口戦略をしっかりと設計することで、安定収益と資産形成を目指せます。
Contents
区分マンション投資とは?
区分マンション投資とは、マンションの一室(区分所有部分)を購入し、第三者に賃貸することで家賃収入を得る投資手法です。
建物全体を所有する一棟投資とは異なり、1戸単位での所有となるため、初期費用が抑えられるのが特徴です。
また、建物全体の管理は管理組合が担うため、オーナー自身が共用部分の維持管理を行う必要がなく、比較的手間が少ない運用が可能です。
物件選びや契約内容によっては、賃貸管理会社に運営を委託することで、さらに手間を減らすこともできます。
区分マンション投資のメリット
区分マンション投資のメリットについて、もう少し詳しく解説します。
少額から始められる
区分マンション投資の最大の魅力の一つが、比較的少額から始められる点です。
築年数や立地によって価格帯は異なりますが、千葉県の場合500万円〜7,000万円前後(2025年8月時点)と幅広い価格帯の区分マンションが流通しており、自己資金に合った物件選択がしやすくなっています。
また、少額であれば万が一の失敗時にも損失を限定できるため、不動産投資初心者の方にとっても始めやすい低い選択肢となります。
管理の手間が少ない
区分マンションでは、建物の共用部分の管理は管理組合が行うため、管理の手間が少なく、本業が忙しい方や遠方に住んでいる方でも安定した運用がしやすい点もメリットです。
さらに、賃貸管理会社に入居者募集や契約、家賃回収、クレーム対応などを委託することで、実質的な負担を大幅に軽減することもできます。
流動性が高く売却しやすい
区分マンションは一棟物件に比べて売却しやすく、資産の入れ替えが柔軟に行えるのも魅力です。
特に都心部や人気エリアの物件は、投資家だけでなく自宅として購入する人にもニーズがあるため、売却先の選択肢が広がります。
また、複数戸を所有している場合は、必要に応じて一部を売却して資金を確保するなど、柔軟な資産運用が可能になります。
区分マンション投資が儲からないと言われる理由と主なデメリット
次に、区分マンション投資が儲からないと言われる理由にもなっている、デメリットや注意点について解説します。
実質利回りが低い
区分マンション投資は、一棟マンションやアパートよりも実質利回りが低い傾向にある点がデメリットになります。
共用部分の管理費・修繕積立金や管理会社への委託費などの固定費は空室時でも発生します。
一棟マンションのように複数戸でリスク分散ができないため、空室1つで実質利回りが低下し、収支が赤字になる可能性が高くなります。
節税効果が限定的
区分マンションでは、専有部分のみが所有対象となるため、共用部分は減価償却の対象外です。
また、区分マンションはRC造の築浅物件が多いため、法定耐用年数が長く、年間の償却額が少なくなりがちです。
一方、一棟マンションは建物全体を所有するため、共用部分も含めた建物価格の大部分を償却できることから、節税効果が高まります。
さらに、一棟投資なら築古物件や木造・鉄骨造など、耐用年数が短い物件を選ぶことで、償却期間を短縮し、年間の償却額を増やすこともできます。
経営の自由度が低い
区分所有では、管理規約や管理組合の方針に従う必要があります。
例えば、室内のリフォームや民泊利用、ペット可否などの運用方針に制限がある場合もあり、オーナーの希望する運営が難しいケースがあります。
一棟マンションでは、所有者が建物全体の運営方針を決定できるため、収益改善のためにとれる対策の自由度も高くなります。
区分マンション投資と他の不動産投資の比較|向いているケースは?
区分マンション投資は手軽さが魅力ですが、収益性や運営の自由度を重視する場合は、他の投資手法が適しているケースもあります。
〈賃貸住宅による不動産投資の比較表〉
比較項目 | 区分マンション投資 | 一棟マンション・アパート投資 | 戸建て住宅投資 |
---|---|---|---|
初期費用 | 少額
(500万〜7,000万円程度) |
中~高額
(数千万円〜数億円) |
中程度
(1,000万〜3,000万円程度) |
管理負担 | 少ない
(管理組合が共用部を管理) |
中~高
(建物全体の管理が必要) |
中程度
(専有部・外構の管理が必要) |
利回り | 低め
(実質利回りは管理費等で圧縮されやすい) |
高め
(複数戸で安定収益) |
中程度
(家賃設定は高めだが空室時の影響大) |
空室リスク | 高い
(1戸のみの収益構造) |
中程度
(複数戸で分散可能) |
中程度
(単独物件だが長期入居傾向あり) |
節税効果 | 限定的
(RC造は年間償却額が少なく専有部のみの償却となるため) |
高い
(建物全体を償却可能) |
中程度
(木造・築古なら償却期間短縮可能) |
経営自由度 | 低い
(管理規約による制限あり) |
高い
(賃料・用途変更など自由度あり) |
中程度
(リフォーム等は自由に可能) |
売却のしやすさ | 高い
(実需層にも売却可能) |
中い
(投資家向けで流動性は限定的) |
低~中程度
(立地や築年数に左右されやすい) |
自己資金や希望する運用スタイル、投資目的などによって、どの手法が向いているかは変わってきます。
それぞれの投資方法が向いているのは以下のようなケースです。
- 区分マンション: 手軽に不動産投資を始めたい場合
- 一棟投資: 高収益と経営自由度を重視する場合
- 戸建て住宅: 資産性と長期安定運用を重視する場合
不動産投資には多様な選択肢があり、それぞれに収益性・リスク・運営負担・出口戦略が異なります。
区分マンションは手軽さが魅力ですが、収益性や節税効果を重視するなら、一棟投資や商業系も視野に入ります。
未来の財託では、さまざまな投資手法に対応した総合的なコンサルティングを提供しています。
資産形成や事業展開をお考えの方は、ぜひご相談ください。
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区分マンション投資で成功するためのポイント
区分マンション投資で失敗を避け、安定した収益を得るためには、物件選びと運用戦略の精度が重要です。
区分マンション投資で成功の可能性を高めるポイントを紹介します。
立地の選定
区分マンションを選ぶ際は、駅からの距離、生活利便性、周辺環境、将来的な人口動態などから総合的に判断することが重要です。
特に、賃貸需要が安定しているエリアを選ぶことで、空室リスクを軽減できます。
築年数と管理状態の確認
築年数だけでなく、修繕履歴や管理組合の運営状況も確認しましょう。
管理が行き届いている物件は、入居者の満足度が高く、長期入居につながりやすくなります。
複数戸所有によるリスク分散
複数の区分マンションを所有することで、1戸が空室になっても他の物件からの収入でバランスを取ることができ、空室リスクを分散できます。
長期保有と出口戦略の設計
区分マンションなど、住宅系の物件は需要が安定していることから、短期的な売却益(キャピタルゲイン)を狙うのではなく、長期保有による安定収益(インカムゲイン)と資産形成を目指すのがおすすめです。
また、将来的な売却タイミングや資産の入れ替えも計画的に設計しておくことが重要です。
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まとめ
区分マンション投資は、少額からでも手軽に始められる一方で、一棟投資と比べると実質利回りが低い、節税効果が限定的、経営の自由度が低いなどのデメリットもあり、適切な対策をした上で始めないと「儲からない」という後悔につながるケースもあります。
区分マンション投資の成功には、賃貸需要が安定した立地選定や、物件の修繕履歴・管理状態の確認が重要です。
また、複数戸を所有してリスク分散する対策や、長期保有と出口戦略をしっかりと設計することで、安定収益と資産形成を目指せます。
オカムラホームでは、区分マンションに限らず、一棟アパート・戸建て・商業ビルなど幅広い不動産投資の選択肢から、ご希望に応じた最適な手法をご提案します。
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