なぜ不動産投資で節税できる?節税額と節税にならないケースを専門用語なしで解説
2026.06.01
2026.06.29

「不動産投資の始め方やメリット・デメリットを調べてみたけど、専門用語が難しい。特に「節税できる」という情報については、なぜなのか意味がわからない」とお悩みの方がいらっしゃると思います。
不動産投資による節税については、意味を明確に理解しないと「貯金などを持ち出しているのに、損に気づくのが遅れる」といった事態につながるため、正確な理解とご自身の経済状態との照合をしたうえで、不動産投資を始めるべきかを判断する必要があります。
今回は首都圏の不動産投資家さまをサポートしている不動産経営コンサルティングサービス『未来の財託』が、「不動産投資がなぜ節税になるのか」を、専門用語なしでわかりやすく解説します。
ご自身の現状が不動産投資に向いているのかを見極めるために、ぜひ最後までご確認ください。
首都圏で「不動産投資で本当に資産を増やせる?」「毎年の確定申告が不安」など、不動産投資に疑問や不安をお持ちの方は、未来の財託へお問い合わせください。
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「なぜ不動産投資で節税できるか」の答えは「減価償却費による赤字を給与所得と損益通算できるから」|専門用語なしで解説

「なぜ不動産投資で節税できるか」の答えは、3段階に分けると理解しやすくなります。
- ステップ1.不動産投資を始めたら毎年「賃貸収入-経費」を計算
- ステップ2.不動産投資には「減価償却費」という費用がある
- ステップ3.「不動産投資の黒字・赤字」「給与所得」は合算して税金を計算するというルールがある
ステップ1.不動産投資を始めたら毎年「賃貸収入-経費」を計算
不動産投資を始めたら、毎年以下のように税額を計算する必要があります。
- 賃貸収入-経費=手元にお金(利益)が残り黒字となった→税金を支払う
- 賃貸収入-経費=手元にお金が残らず赤字となった→不動産投資に対する税金は発生しない
ステップ2.不動産投資には「減価償却費」という費用がある
不動産投資には「減価償却」という経費があり、この経費が「不動産投資で節税できる」仕組みの元になります。
【減価償却費とは】
不動産の「劣化・価値の減少」を数値化して「費用」とみなすが減価償却です。
例として新築マンションを購入した場合、1年・10年・20年と時間が経過しても建物はなくなりませんよね。
そのため、購入した費用を購入した年の経費にするのではなく、建物が年々古くなること・不動産市場での価値が低下することを加味した額ずつ、長期間にわたって経費計上することが定められています。
減価償却費は「国が定めた計算方法」で算出して不動産投資の経費として計上しますが、実際に現金を支払うわけではありません。
※減価償却費の仕組みを、のちほど「現金支出を伴わない経費「減価償却」とは」でご紹介しますので、さらに詳しく確認したい方は、ご確認ください。
そのため、賃貸収入から経費を差し引いたときに、減価償却が高額なことが原因で赤字となったら、税金が発生せずラッキーですよね。
ステップ3.「不動産投資の黒字・赤字」「給与所得」は合算して税金を計算するというルールがある

不動産投資には「赤字の場合に、給与所得※1から赤字を差し引ける」というルールがあります。(損益通算※2)
※1「給与所得」とは、給与収入から法律上で定められた「給与所得控除」を差し引いたものです。
※2損益通算には「土地の購入資金の利息」など、一部対象外の費用もあります。
不動産投資が赤字の場合は、給与所得と合算すると所得総額が安くなるため、「所得総額に対する税金も安くなる=節税できる」という理屈で「不動産投資は節税できる」という結論となります。
(例)「不動産投資の赤字:△100万円」「給与所得:800万円」の場合
- 給与所得に対する元の税額:800万円×5%(仮の税率※)=40万円
- 不動産投資の赤字と給与所得を合算した税額:(800万円-100万円)×5%(仮の税率※)=35万円
※(仮の税率)は簡単に計算するために提示したもので、実際の税率とはまったく関係ありません。
結論:減価償却費が原因で赤字となっている場合のみ、「不動産投資で節税できる」と言える
減価償却費は現金支出を伴わない費用ですので、減価償却によって不動産投資が赤字になっても、不動産投資家の方の懐は一切傷みません。
不動産投資を合算して所得総額が小さくなったら、1年間にわたって給与のみで計算して天引きされてきた税金は「払いすぎ」の状態になるため、正しい税金額を計算して税務署へ申告(確定申告)すると、払いすぎていた税金が還付されます(ご自身が指定した銀行口座に振り込まれます)。
一方で、「賃貸収入が想定よりも少なかった」「経費が想定よりも多かった」など、減価償却が影響しない要因で赤字となった場合、不動産投資家の方は貯金や給与の手取りを切り崩して、賃貸収入の範囲内では支払えない経費を支払う事態となります。
この状態では、最終的に税金が払い過ぎとなっても節税できているわけではなく、単純に」「不動産投資で損をした」という結果となります。
「不動産投資で節税できるか・儲かるか」は、給与所得額・不動産の実質利回りなどに応じて判断が必要となるため、後ほどご紹介する以下も、ぜひご確認ください。
現金支出を伴わない経費「減価償却」とは

不動産投資で書類上の赤字を作り出し、かつ懐も痛まないのは、現金支出を伴わない経費「減価償却」を計上できるためです。
不動産投資では、建物の代金を支払ったその年に全額経費にすることはできません。
「建物は年数が経つにつれて価値が下がっていくもの」という考え方のもと、国が構造(木造・RC造など)ごとに定めた年数(法定耐用年数)に分けて、長期間にわたって経費として計上していきます。
不動産投資に関わる主な耐用年数(減価償却費を経費として計上できる期間)は、以下のとおりです。
新築と中古では、同じ構造でも耐用年数が異なります。
| 建物の状態 | 木造 | ・鉄骨鉄筋コンクリート造 ・鉄筋コンクリート造 |
|---|---|---|
| 新築(法定耐用年数の期間内) | 22年 | 47年 |
| 中古(法定耐用年数をすべて経過)※ | 4年 | 9年 |
| 中古(法定耐用年数の一部を経過) | (法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20% | |
※中古の資産で法定耐用年数を全て経過している場合には、「法定耐用年数×20%」で耐用年数を算出します。
また、中古の資産の耐用年数を計算して2年未満となる場合には、耐用年数を2年とします。
(参考〉国税庁
・No.2100 減価償却のあらまし」主な減価償却資産の耐用年数表
・No.5404 中古資産の耐用年数
(例)中古・築25年の木造アパートを3,200万円で購入し、建物価格が1,200万円だった場合、減価償却費は以下のとおりです。
| 購入してからの期間 | 減価償却費 |
|---|---|
| 1年目 | 1,200万円×0.250※1=300万円 |
| 2年目 | 1,200万円×0.250=300万円 |
| 3年目 | 1,200万円×0.250=300万円 |
| 4年目 | 300万円-1円※2=299万9,999円 |
※1:耐用年数が4年間のため、1年で25%ずつ価値が減少していく計算です。
※2:減価償却費を経費として計上できる期間が終わっても建物が消滅するわけではないため、備忘価額として1円を残すルールです。
なお、土地は時間が経っても劣化しないため、土地に対しては減価償却費という概念自体が該当しません。
不動産投資の節税額を受け取るまでの流れ|確定申告の手続き

不動産投資の節税額(還付金)を受け取るまでには、会社の年末調整とは別に、ご自身で国に不動産投資の内容を申告する「確定申告」という手続きが必要です。
| ステップ | 時期 | 行うこと |
|---|---|---|
| ①1年を通して賃貸収入・経費の帳簿をつけておく | 1年を通して | 会計ソフトなどを使用して、毎月の賃貸収入・経費を記録しておく |
| ②お勤めの会社で年末調整が実施され、源泉徴収票が配布される | 12月〜1月 | 所得控除の書類などを会社に提出して年末調整をしてもらう |
| ③確定申告の準備 | 1月〜2月 | 以下の書類を揃える ・会社からの源泉徴収票 ・不動産管理会社からの家賃収入の明細 ・経費の領収書 ・金融機関からのローン年末残高等証明書 など |
| ④確定申告書を作成する | 2月〜3月 | 会計ソフトなどを使用して1年間の収支の計算・記録を完成させる →国税庁ホームページ内の「確定申告書等作成コーナー」確定申告書を作成 |
| ⑤確定申告書を、ご自身の居住地を管轄する税務署へ提出 | 原則2月16日〜3月15日 | 以下の方法で提出可能 ・オンライン(e-Tax) ・郵送 ・税務署に持参 |
| ⑥還付金がある場合には受け取る。納税額がある場合には納税する | 提出後 | 還付金は指定した銀行口座に振り込まれます |
節税によって還付金がある場合の、還付金受け取りまでの期間は、以下が目安です。
- オンラインで確定申告書を提出した場合:3週間ほど
- 郵送や税務署に持参で確定申告書を提出した場合:1ヶ月〜1ヶ月半ほど
【年収500万〜1500万】サラリーマンの1分でわかる節税額シミュレーション

次に、年収額に応じた不動産投資の節税額シミュレーションもご紹介するので、ぜひご活用ください。
不動産投資の節税額は不動産価格などによって変動するため、以下の前提条件でシミュレーションをしています。
- 築25年の木造アパート総額3,200万円(建物1,200万円、土地2,000万円)
- 年間家賃収入:300万
- 現金支出を伴う経費:ローン利息+諸経費=年120万
- (現金支出を伴わない)減価償却費:年300万円
- 給与収入からは基礎控除(だれでも一律で給与収入から差し引ける控除)のみを差し引いて給与所得を計算しています。
※本シミュレーションは上記の前提条件を固定して概算しています。
実際の節税額はご自身の状況・不動産投資の内容によって変動します。
ワンルーム1戸のみの投資では減価償却費を経費として計上できる期間が終わった後の資金計画を間違えやすいため、こちらの記事で成功例をご確認ください。
〈参考〉不動産投資でワンルームはやめとけ派の失敗例・やってよかった派の成功例を初心者向けに解説
不動産投資で節税にならないケース|リスクも紹介

ここまでご確認いただき、「不動産投資の節税効果や収益には様々なパターンがある」ということにお気づきの方が多いと思います。
不動産投資をする前に知っておいて頂きたい「不動産投資で節税にならないケース」「不動産投資のリスク」もご紹介します。
不動産投資で節税にならないケース
以下の3つのケースでは節税効果に対して負担のほうが大きくなることを想定できるため、不動産投資のプランを変更する必要があります。
【年収500万円未満など元々の納税額が少ない】
節税は「すでに払った税金が手元に戻ってくる」仕組みのため、もともと納めている税金が少ない場合には戻ってくる上限額も小さく、大きな節税効果を得られません。
【減価償却費を経費として計上できる期間が終わった後に黒字額が小さい】
特にローンを利用して不動産投資をする場合には、黒字額(手元に残るおおよその額)からローン元本を返済していくことになります。
そのため、黒字額がローン元本を下回る場合には、数年間のみ節税できても、貯金や給与収入を切り崩してローンを返済していくことになり、本末転倒です。
【土地を買うためのローンの利息が含まれるケース】
減価償却費を経費として計上できる期間に「賃貸収入-減価償却費を含む経費=赤字」の場合でも、土地を購入するために利用したローン利息は、損益通算の計算対象外となります。
〈参考〉
・租税特別措置法第四十一条の四
・国税庁「No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」
そのため、土地に高い価値がある不動産をローンで購入して土地の利息の割合が大きい場合は、思ったよりも節税できない場合があります。
不動産投資のリスク
不動産投資には以下のリスクが常にあり、手元資金に余裕がない状態で始めると生活資金にも影響する可能性があります。
- 空室リスク:空室で家賃収入が0円でも、ローン返済・管理費の支払いなどが続きます
- 家賃下落下リスク:特に築年数の古い物件が抱えているリスクで、家賃が下落してもローンの返済額は変わりません
- 突発的な修繕費発生リスク:給湯器の故障・雨漏りなどを考慮せずに資金計画を組み立てると、数十万円〜数百万円単位の突発的な支出が困難になります
- ローン金利の上昇リスク:変動金利で金利が上昇すると、毎月の返済額が増えて手元に残る現金が減ります
不動産投資で失敗しないためには、「売却まで見越した長期間・高精度の資金計画」「手持ち資金の余裕」が必須です。
不動産投資のプロにいつでも相談できる体制を整えておくと安心ですので、首都圏で不動産投資のプロをお探しの方は、未来の財託へお気軽にご相談ください。
こちらの記事で、不動産投資に必要な資金額を、不動産投資の手法ごとにご確認いただけます。
〈参考〉不動産投資はいくら必要・いくら儲かる|自己資金なし〜3000万円までの不動産投資方法を解説
不動産投資と節税Q&A

最後に、不動産投資や節税について疑問をお持ちの方から、未来の財託がよくいただく質問・回答をご紹介します。
Q.「不動産投資が年金代わりになる」は本当?
A.「ローン完済後」「ローンを利用しない不動産投資」では、「賃貸収入-経費」で手元に残る額を年金として扱いやすくなります。
ただし、前述したとおり不動産投資には「空室リスク」「突発的な修繕費発生リスク」などがあるため、手元に残る額をすべて使うことを前提とした資金計画はおすすめできません。
Q.サラリーマンでも節税のために「法人設立」をするべき?
A.不動産投資を始めたばかりの段階では、法人設立は基本的に不要です。
法人は会社を維持するだけで毎年数万円の税金(法人住民税の均等割)発生しますし、ご自身で決算帳簿を作成できない場合には税理士費用も発生します。
一般的な目安として、ご自身の年収が1,000万円を超え(課税所得ベースでは900万円を超えると所得税の最高税率が33%に上がります)、不動産所得も大きくなってきたタイミングで法人設立の検討をおすすめします。
Q.不動産投資をするなら「新築」「中古」どちらを選ぶべき?
A.短期間で大きな節税効果を得たい場合には、中古の木造物件が有利です。
「中古は短期間の節税効果が高いが修繕費用の発生リスクが高い」「新築は節税効果が薄いが修繕リスクが低く入居者が集まりやすい」といった特徴があるため、ご自身の手持ち資金などに応じて物件を選びましょう。
こちらの記事で、不動産投資の物件ごとに目指すべき利回りをご確認いただけます。
〈参考〉不動産投資の利回り最低ラインは3%〜が相場|実質利回りの計算方法、高い回りの実現方法など解説
Q.ローンや投資リスクを背負ってまで不動産投資をする価値はある?
A.節税だけを目的にした不動産投資には、メリットがローンや投資リスクを背負うことに見合わないため、不動産投資の価値がないのが一般的です。
不動産投資の目的は、「将来に向けて安定した家賃収入を得る」「資産の分散」などさまざま考えられるため、資産活用や相続対策などで不動産投資をご検討中の場合には、資産活用のプロへの相談をおすすめします。
首都圏で資産活用や相続対策を相談できるのプロをお探しの方は、未来の財託へお気軽にご相談ください。
まとめ
不動産投資で節税できる仕組みは、「損益通算」と「減価償却」という2つの制度を組み合わせて、書類上の所得を小さくすることにあります。
ただし、節税額は年収や物件の構造、購入からの経過年数によって大きく変わり、土地の借入利息のように損益通算の対象外になる例外もあります。
今回ご紹介したシミュレーションや節税にならないケースを参考に、節税だけを目的にせず、長期的な資産形成の視点から不動産投資を検討していただけると幸いです。

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