ビルリノベーションについてわかりやすく解説|メリットや注意点、費用相場も紹介
ビル経営をされている場合、テナント入居率や資産価値の向上などを目的に、リノベーションを検討される方は少なくありません。
しかし、「リノベーション費用はいくらかかるのか」「多くのコストをかけてリノベーションするべきなのか」とお悩みのオーナー様も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、多くのリフォーム・リノベーションを手がけている千葉の工務店「オカムラホーム」が、ビルリノベーションのメリットや注意点、費用はいくらかかるのか解説します。
実際に手がけたビルリノベーションの事例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
ビルリノベーションのメリット
ビルをリノベーションすることによって、次のようなメリットがあります。
建て替えよりコスト削減が可能
ビルをリノベーションする場合、建て替えよりコストを抑えながら、ビルの老朽化を改善できます。
建て替えの場合、一度すべてを解体した上で再構築するので、既存の躯体を活用できません。
そのため、ビルを解体する費用と新築する費用がかかり、工事費用が高額になります。
一方、リノベーションであれば解体する必要がなく、工事の初期費用を大幅に削減可能です。
また、解体する手間がかからないことから、工期を短縮できるのもメリットです。
できる限り早く改修できることで、テナント賃料の機会損失が最小限になり、仮移転にかかる費用も軽減できます。
建物の安全性向上
築年数の古いビルの場合、リノベーションを行うことで安全性を大きく改善できます。
築年数が古いビルは、設備が老朽化しているだけでなく、構造的に脆弱である恐れも少なくありません。
とくに1981年の建築基準法改正前に建てられている場合、旧耐震基準のため耐震性が低いと考えられます。
しかし、リノベーションを行なって補強することで、現行の建築基準法に適合した耐震性を得られます。
電気設備や給排水管もまとめて一新すれば、耐震性だけでなくビル全体の安全性や機能性も改善可能です。
テナント入居率の向上
古くなったビルの外観・内装をまとめて刷新できることで、テナント入居率を向上できる点も、ビルリノベーションの大きなメリットです。
リノベーションを行う場合、古くなっていた外観デザインのリニューアル、内装のフルリフォーム、最新の設備への交換によって、ビル全体の印象が大きく変わります。
オフィスビルの一部をカフェに、住居だったものをホテルになど、地域のニーズに合わせて用途転換も行えば、入居率アップだけでなく賃料アップにも効果的です。
資産価値の向上
築年数の古いビルであっても、ビルリノベーションによって資産価値が向上する可能性があります。
昔ながらの間取りや設備のままでは、なかなか入居率が上がらず、資産価値の低下も免れません。
一方、外観をリニューアルしたり、内装も刷新することで、中長期的な資産価値の向上に貢献できます。
耐震改修や防水工事といった安全面を強化するリフォームを行えば、テナント利用の人たちからも信頼され、空室率の低下に効果的です。
競合物件との差別化や、賃料の引き上げにも期待できます。
ビルリノベーションの費用相場
入居率や資産価値の向上に効果的なビルリノベーションですが、気になるのが費用面です。
一棟のリノベーションと、購入した専有部分のみのリノベーションについて、大まかな費用目安を確認しておきましょう。
種類 | 費用相場 |
専有部分のみ | 5〜20万円/㎡ |
一棟 | 専有部分の工事費用に加え、 給排水設備改修:150万円〜 空調設備交換:300万円〜 エレベーターの改修:400万円〜 などの工事費用が発生 |
専有部分のみリノベーションする場合、空間の用途によって費用は異なります。
オフィスであれば1㎡あたり5~20万円ほど、店舗は10~15万円ほど、住居に転用する場合は15~20万円ほどが相場とされていますが、ビルの状態や広さ、工事の内容によって異なるため、あくまでも目安として押さえておきましょう。
また、ビル一棟まとめてリノベーションする場合、給排水管や空調の設備、エレベーターの改修費用なども加わります。
築年数が古い場合、断熱改修や耐震補強も行われることで、費用が膨らみやすい点にも注意が必要です。
ビルリノベーションを行う場合の注意点
ビルリノベーションを行うメリットはさまざまですが、次の3点には注意しましょう。
追加費用が発生するリスクがある
ビルリノベーションを行う場合、ビルの状況によっては追加費用が発生する点に注意が必要です。
実際に工事を開始しなければ、配管の腐食や躯体部分の劣化は見つけられません。
そのため、事前調査では把握できなかった不具合が、工事中に発見されるケースもみられます。
とくに旧耐震基準で建てられたビルの場合、耐震性が脆弱であると考えられるので、想定していたよりも工事費用がかかる恐れがあります。
想定外の事態に備えるためには、ある程度予算に余裕を持っておきましょう。
設計・レイアウトに制約が生じる場合がある
ビルリノベーションでは、設計やレイアウトに制約が生じるケースも多く見られます。
耐力壁や柱といった主要な構造部分は、リノベーションであっても撤去できず、そのまま活かして間取りを考える必要があるためです。
とくに注意が必要なのが、壁式構造のビルをリノベーションする場合です。
壁式構造の建物は、柱と梁がないため壁を撤去できません。
そのため、設計の柔軟性が下がってしまい、理想通りの間取りにならない恐れもあります。
また、排水管の位置によっては、水回り設備の移動が制限されるケースもめずらしくありません。
理想をどこまで形にできるのか、施工業者と相談しながら工事を進めましょう。
資金調達が難しい場合がある
ビルリノベーションを行う際、資金調達を検討される方は少なくないですが、築年数によっては融資審査が厳しい場合があります。
築年数が古いビルの場合、担保価値が低いと判断されるため、新築と比べると融資額の確保が困難です。
加えて、リノベーションをした後の収益性を証明しづらい点も、資金調達のハードルを上げる要因となります。
ビルリノベーションで失敗しないためのポイント
ビルリノベーションで失敗しないためには、次にあげる3つのポイントを押さえておきましょう。
構造調査や建物診断を行う
ビルリノベーションを行う際には、構造調査や建物診断を実施し、適切な改修計画に役立てましょう。
構造調査では、コンクリートの圧縮強度や中性化の進み具合、ひび割れ状況などを把握します。
建物診断を行えば、建物全体の目視・打診調査を通じて、見逃しがちである深刻な劣化がないか確認可能です。
専門家による詳細な事前調査を行うことで、活用できる箇所と改修が必要な箇所を整理でき、リノベーションで失敗するリスクを抑えられます。
予算管理を適切に行う
ビルリノベーションで失敗しないためには、計画段階から適正な予算管理を行いましょう。
まず、リノベーション範囲を明確にした上で複数の会社に見積もりをとり、費用感を把握することが重要です。
工事の範囲を明確にする際には、優先順位を整理し、必ず実施する必要がある工事と、可能であれば実施したい工事を区別してください。
優先順位をつけることで、予算に応じて柔軟に調整できる体制が整います。
費用感を掴めたら、予期せぬ追加工事などの万が一の事態に備えて、費用の10〜15%程度の予備費を確保しておきましょう。
実績のある施工業者に依頼する
ビルリノベーションを成功させるには、施工業者の選定が非常に重要なポイントとなります。
必ずこれまでの施工事例を確認し、ビルリノベーションで実績のある業者に依頼しましょう。
築年数の古いビルをリノベーションする場合、構造や耐震性、配管、電気設備周辺など、至るところに問題が潜んでいることが少なくありません。
そのため、経験不足な業者に依頼してしまうと、適切な対処が難しい場合があります。
一方、十分な実績のある業者であれば、構造的な問題を把握し、状態や要望に応じた最適なリノベーションを提案できます。
類似規模・同用途のビルリノベーション実績があるか確認し、信頼して依頼できそうな業者に問い合わせてみましょう。
ビルリノベーションの施工事例
〈施工事例:東京都文京区│ビルリフォ-ム│オフィス(8F・9F)改装工事〉
最後に、オカムラホームが手がけたビルリノベーションの施工事例を紹介します。
ビルリノベーションの施工事例①

Before

After

After
ビルの保全を目的に、外壁工事とトイレ交換を行なった事例です。
外壁塗装とともに屋根の防水工事を実施したほか、古いトイレからの交換は内装工事もセットで行いました。
また、これを機に1階部分を賃貸することになったため、賃借事業のサポートまで弊社で行なっています。
ビルリノベーションで印象が大きく変わったことにより、テナント契約は早々に決まりました。
施工エリア | 千葉県八千代市 |
構造 | 鉄骨造 |
築年数 | 約50年 |
工期 | 60日 |
費用 | 380万円 |
施工事例の詳細はこちらからご覧ください。
〈施工事例:千葉県八千代市|ビル外装修繕&賃貸事業サポート事例|ビルの有効活用〉
ビルリノベーションの施工事例②
東京都文京区にて、ビルの占有部分のリノベーションを行なった事例です。
一度スケルトン状態にしてから行う大規模リノベーションだったことから、まるで新築のような仕上がりになりました。
施工エリア | 東京都文京区 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
築年数 | 約34年 |
工期 | 100日 |
施工事例の詳細はこちらからご覧ください。
〈施工事例:東京都文京区│ビルリフォ-ム│オフィス(8F・9F)改装工事〉
まとめ
ビルリノベーションは、建物の耐久性・安全性を高めるだけでなく、テナント入居率や資産価値の向上にも効果的です。
しかし、築年数の古いビルの場合、構造や設備にさまざまな問題が潜んでおり、経験不足な業者に依頼してしまうと、適切に対処できない恐れもあります。
最適なリノベーションを行うためにも、十分な実績を持つ施工業者に相談しましょう。
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